2012 Fiscal Year Annual Research Report
生体イメージングによる骨代謝制御のダイナミクス解析法の開発
Project/Area Number |
23790248
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤森 さゆ美 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任研究員(常勤) (20589717)
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Keywords | 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 骨リモデリング / 細胞間相互作用 / イメージング |
Research Abstract |
本研究では、生きた骨組織で破骨細胞・骨芽細胞により執り行われる骨リモデリングを動的に可視化し、骨の恒常性維持および骨疾患発症メカニズムを時空間的な細胞動態解析から解明することを目的として、二光子励起顕微鏡を用いて骨芽細胞と破骨細胞の骨髄内イメージング解析を行った。本年度は、前年度に作出した骨リモデリング可視化用マウス(Col1a1*2.3-ECFP/+;TRAP-tdTomato/+)を用いて、生理的環境下での骨芽細胞と破骨細胞の動態解析を行った。マウス頭蓋骨髄内では、Col1a1*2.3-ECFPで標識される骨芽細胞の集団は、TRAP-tdTomatoで標識される破骨細胞の集団と離れた場所に分布し、通常状態では、限られた数の骨芽細胞と破骨細胞が近接して分布している様子が観察された。両細胞について経時的に観察を行った結果、観察開始時に破骨細胞の集団が観察された領域において、骨芽細胞数が経時的に増加する一方で破骨細胞数の減少が認められた。また、この過程において、近接する骨芽細胞と破骨細胞の数が増加したことから、骨リモデリングの骨吸収相から骨形成相への移行期には、骨芽細胞が破骨細胞の近傍に遊走され、直接的または間接的な相互作用を介してその領域における骨吸収型破骨細胞の減少を促し、骨形成を促進する可能性が示唆された。また、骨リモデリング可視化用マウスに、破骨細胞誘導能を有するGST-RANKLを腹腔内投与することにより骨粗鬆症を誘導したところ、GST-RANKL投与後に近接する骨芽細胞と破骨細胞の数の減少が認められた。これらのことから、骨リモデリングの種々の場面における骨芽細胞と破骨細胞の相互作用は、その後引き続いて起こる各細胞の機能発現に重要な役割を果たすと考えられ、それぞれの相互作用に関連する分子を特定することにより、新たな骨関連疾患治療薬の開発につながると期待される。
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Research Products
(3 results)