2011 Fiscal Year Research-status Report
TRPM2を介したインスリン分泌機構と糖尿病発症への関与
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23790267
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
内田 邦敏 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 特任助教 (20581135)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | TRPチャネル / インスリン分泌 / 糖尿病 / インスリン感受性 |
Research Abstract |
膵臓β細胞におけるTRPM2活性化メカニズムを検討するためにいくつかのTRPM2ミュータントを作製した。インスリン分泌を刺激するホルモンの受容体の下流シグナルであるPKAのリン酸化部位として知られる配列RRXS/TのS/TをAに置換したミュータントを作製した(T9A, S11A, T25A, S38A, S187A, S225A, S1169A, S1176A)。また、TRPM2活性化物質であるADPRおよびcADPRの作用が消失すると報告されているミュータント(N1326D)を作製し、そのチャネル活性を検討した。その結果、熱刺激および過酸化水素刺激に応答しなかったため、機能的なチャネルの発現を確認できなかった。そこで、ADPRやcADPRの合成に関与するCD38をsiRNAによりノックダウンすることとし、遺伝子導入法を検討した。その結果、リポフェクション試薬を用いることにより導入効率を40%まで高めることに成功した。野生型マウスとTRPM2ノックアウトマウスに高脂肪食を摂餌させ、インスリン抵抗性モデルを作製し、その病態発症について比較検討した。その結果、TRPM2ノックアウトマウスは野生型マウスと比較して肥満を呈しにくいことが解った。糖代謝能について検討した結果、TRPM2ノックアウトマウスはインスリン抵抗性を発症していなかった。以上の結果からTRPM2がインスリン分泌のみならず、インスリン感受性の調節にも関与している可能性が示唆された。そこで、グルコース取り込みおよび貯蔵に強く関与する臓器(筋肉、膵臓、脂肪組織)におけるTRPM2の発現をRT-PCR法を用いて検討することにした。その結果、TRPM2は肝臓、脂肪組織にも発現していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね計画書に記載した通りに進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
TRPM2はインスリン感受性の調節にも関与していることが示唆されたため、脂肪組織および肝臓におけるTRPM2の機能を解析する必要が生じた。そのため、高脂肪食モデルおよび糖尿病モデルマウスにおける膵臓β細胞、脂肪細胞および肝臓のTRPM2発現量および機能をリアルタイムRT-PCR法および電気生理学的手法を用いて検討する。動物個体を用いた検討から、TRPM2はインスリン感受性を維持する機能があると予想される。そこで、単離した各組織の細胞を用いて、グルコーストランスポーターなどの発現量の検討およびグルコース取り込み能測定などを行い、インスリン感受性にTRPM2が関与している可能性およびそのメカニズムを検証する。ヒトにおけるTRPM2の関与を検討するため、SNP解析ライブラリを用いて糖尿病発症とSNPの因果関係を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
脂肪細胞および肝臓細胞を単離培養するための消耗品・試薬購入費を計上する。分子生物学、電機生理学研究費用については計画書の通りとする。
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Research Products
(6 results)