2012 Fiscal Year Annual Research Report
TRPM2を介したインスリン分泌機構と糖尿病発症への関与
Project/Area Number |
23790267
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Research Institution | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設) |
Principal Investigator |
内田 邦敏 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 助教 (20581135)
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Keywords | TRPM2 / インスリン感受性 / 免疫細胞 |
Research Abstract |
TRPM2の活性化メカニズムに関する研究を行った。また膜電位変化の観察を目的としたナトリウムイメージングの実験系を立ち上げ膜電位の変化の検討を試みたが、あまり大きな変化を観察することができなかった。 高脂肪食モデルマウスおよび糖尿病モデルマウスを用いてTRPM2 mRNAの発現量をリアルタイムRT-PCR法を用いて検討した。その結果、高脂肪食モデルおよび糖尿病モデルマウスの膵島においてTRPM2発現量の増加が認められた。さらに、興味深いことにエネルギー代謝に重要である白色脂肪組織においても発現量の増加が認められた。TRPM2は免疫細胞にも発現し、インスリン感受性の低下には免疫細胞の脂肪組織への浸潤とそれに伴う免疫反応が関係していることが知られている。また、私はTRPM2が免疫細胞の脱顆粒に関与していることを報告した。TRPM2発現量の増大は、この浸潤を反映したものであることが示唆され、インスリン感受性の低下にTRPM2が関与していると考えられた。 実際、前年度に野生型マウスとTRPM2ノックアウトマウスに高脂肪食を摂餌させ、その病態発症について比較検討した結果、TRPM2ノックアウトマウスは野生型マウスと比較して肥満を呈しにくいというデータを得ている。実際、TRPM2ノックアウトマウスはインスリン抵抗性を発症していなかったことから、TRPM2はインスリン分泌のみならずインスリン感受性の調節にも関与していることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)