2011 Fiscal Year Research-status Report
摂食行動を調節する視床下部ニューロンにおける脱リン酸化酵素TCPTPの役割
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23790276
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
福島 篤 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (10442716)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | チロシン脱リン酸化酵素 / TCPTP / POMC / STAT3 / エストロジェン |
Research Abstract |
本研究の目的は、視床下部ニューロンの脱リン酸化が、摂食行動を調節する、という仮説を検証する事である。具体的には、視床下部pro-opiomelanocortin(POMC)ニューロンにおいて、チロシン脱リン酸化酵素のT-cell Protein Tyrosine Phosphatase(TCPTP)が、signal tranducer and activator of transcription3(STAT3)のリン酸化を調節することにより摂食行動が調節される事を示す。TCPTPはPOMCニューロンにおいて、STAT3のリン酸化を抑制する(脱リン酸化)ことによりPOMCニューロンの活動を促進して、結果、摂食を抑制する事を明らかとし、さらに、エストロジェンによる拒食や、高脂肪食による過食にも、TCPTPによるSTAT3の調節が関与する事を示し、POMCニューロンにおけるTCPTPの生理的な役割をより明確にする。すなわち、拒食と過食は、それぞれPOMCニューロンの活動が促進もしくは抑制された状態で、POMCニューロンのSTAT3のリン酸化が鍵を握っており、そのリン酸化の度合いは、実はTCPTPという脱リン酸化酵素が担っていることを明らかにする。本年度は以下のような結果を得た。エストロジェンによる拒食作用とTCPTPの関係:C57BL/6雌性マウスを用いてエストロジェンと視床下部におけるTCPTP発現量の変化について検討を行った。その結果、通常食においてエストロジェン有無による視床下部TCPTP発現が顕著に増加した。しかし、高脂肪食摂食下においてはTCPTP発現が減少した。以上の結果より、エストロジェンによる拒食作用の一部は、TCPTPの脱リン酸化酵素が関係している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
組織 (脳)特異的ノックアウトマウスが作成出来ていない。平成24年度初めには作成し、当初の実験計画に沿って実験を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
組織 (脳)特異的ノックアウトマウスが作成出来ていないので、平成24年度初めには作成し、当初の計画通りに進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
組織 (脳)特異的ノックアウトマウスが作成出来ていないので、平成24年度初めには作成し,研究計画通りに実験を行い、適正に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)