2011 Fiscal Year Research-status Report
緑色蛍光蛋白導入ラットの視交叉上核での生体リズムの可視化と生理機能解明
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23790280
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
藤原 広明 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10369051)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | eGFP / 視交叉上核 / バゾプレッシン / サーカディアンリズム |
Research Abstract |
本年度はeGFPモニタリングシステムの小型化を行った。レーザー照射装置を固定式のものから、光ファイバーへの導光効率の良いレーザーダイオードに変更し、電源を電池に変更することによってラットの頭部に固定できる大きさにまで小型化した。現在、照射光の増強および光情報を関知するシステムの小型化を行っている。このシステムが完成すれば、麻酔下ではなく自由行動下のeGFP蛍光の変化を検出することが可能となる。 また、本年度は実験を行うのに必要なバゾプレッシン-eGFPトランスジェニックラットを入手できなかったため、マウスを用いて様々な波長の光が視床下部視交叉上核および室傍核におよぼす影響について検討した。明暗サイクルは明期12時間(18時~6時)、暗期12時間(6時~18時)とした。赤、緑、青および白色LED光照射は暗期開始6時間後(12時)から60分間行い、コントロール群には何の照射も行わなかった。照射終了90分後に4%パラホルムアルデヒドによる灌流固定を行い、脳を採取した。クリオスタットを用いて脳薄切切片を作成し、Fosタンパクの免疫組織化学的染色を行った。切片は顕微鏡下で観察した後、Fos免疫陽性細胞数をカウントした。その結果、各LED光照射において視交叉上核および室傍核では他の群と比して青色LED光照射群において有意なFos免疫陽性細胞数の増加が観察された。このことは青色LED光で視交叉上核および室傍核の神経細胞が活性化したことを意味する。光刺激に対する生体の反応は青色光で最も強いことが報告されており、今回の結果はそれらの先行研究を支持するものであると考えられる。また、暗期中の光照射で生体リズムの位相変化が起こることはよく知られている。青色光はその変化が他群と比べて強い可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者本人が申請時の職場より転出したため、実験環境のセットアップ、ならびに遺伝子改変動物の入手・繁殖に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
eGFPモニタリングシステムの実用化のため、徳島大学工学部光応用工学科光機能材料講座に助言をもらう。また、レーザーマイクロダイセクション法およびDNAマイクロアレイ法に関しては徳島大学医学部疾患プロテオゲノム研究センターに協力を要請する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験環境のセットアップ、ならびに遺伝子改変動物の入手・繁殖に時間を要したため、予定していた実験が行えず次年度使用額が発生した。次年度使用額はeGFPモニタリングシステムの実用化およびDNAマイクロアレイ法に使用する。交配用ラット購入費は8匹×3千円×12ヶ月で28万8千円を要する。また、PCR用試薬はトランスジェニックラット出生毎に用いる。DNAマイクロアレイ(40万円×2)は2回行う。
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Research Products
(8 results)