2012 Fiscal Year Annual Research Report
緑色蛍光蛋白導入ラットの視交叉上核での生体リズムの可視化と生理機能解明
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23790280
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
藤原 広明 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10369051)
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Keywords | eGFP / 視交叉娘核 / バゾプレッシン / サーカディアンリズム |
Research Abstract |
本年度はバゾプレッシン-eGFPトランスジェニックラットにおいて時差ぼけモデルを作成し、視交叉上核を採取してDNAマイクロアレイ解析を行った。トランスジェニックラットは明期12時間(18時~6時)、暗期1 2時間(6時~18時)の環境下で飼育した。光環境の変化が視交叉上核での遺伝子発現におよぼす影響をみるため、ラットを2群に分け時差群は18時から8時間明期開始時刻を前進させた。コントロール群は通常の明暗サイクルで飼育を続けた。24時間後、脳を採取し両側の視交叉上核を摘出した。視交叉上核はホモジナイズし、mRNAを抽出した後、DNAマイクロアレイを行った。遺伝子発現を網羅的に解析するためfold changeを行いT-testにて検定を行った。その結果、24遺伝子において有意な遺伝子発現量の変化が観察された。サーカディアンリズムに関係する遺伝子ではPer3遺伝子が有意に増加していた。Per3は細胞核外でPer1、Per2と共に二量体を形成し、時計遺伝子のネガティブフィードバックループ形成のための補助遺伝子として働くことが知られている。Per3は時差ぼけ時のリズム形成に関与している可能性が示唆された。しかし一方でPer3はサーカディアンリズムの形成に必須でないという報告もあり、さらなる検討が必要である。また、網膜の恒常性維持に関与しているAipl1遺伝子も有意に増加していた。一方、バゾプレッシン遺伝子およびeGFP遺伝子には変化が見られなかった。今後、これらのマイクロアレイ解析で選定された候補遺伝子においてReal time PCR法におって定量的遺伝子発現解析を行い検討する予定である。
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Research Products
(2 results)