2013 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧発症機序を交感神経活動の超慢性記録によって解明する。
Project/Area Number |
23790285
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
吉本 光佐 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 研究員 (20418784)
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Keywords | 高血圧 / 交感神経 / ラット / 腎交感神経活動 / 腰部交感神経活動 / 神経性動脈圧調節 |
Research Abstract |
高血圧は、今や世界で4人に1人が罹患しており、また死亡や医療負担の要因となる疾患の上位に位置している。その高血圧の成因は、様々に考えられているが、“交感神経活動の亢進”も主原因の一つに考えられている。そのため、本研究は、高血圧発症時の神経性機序を解明することを目的とし、高血圧発症モデル動物を用いて、同一個体で高血圧発症時の交感神経活動が動脈圧上昇に果たす役割について検討した。 今年度は、人為的処置無しに自然に高血圧を発生する脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP)を用いて実験を行った。 【方法】雄のSHRSPラットと雄のWistar京都(WKY)に、腎及び腰部交感神経活動測定用電極、動脈圧測定用テレメトリーの慢性留置手術を行った。手術後、約1週間の回復期の後、動脈圧、心拍数、腎及び腰部交感神経活動の24時間連続測定を28日間行った。また、1日おきに目視による90分間の行動観察をおこなった。 【結果】SHRSP群の動脈圧は、全実験期間中、経過時間に伴い上昇を続けまた日内変動の幅も大きくなった。一方、WKY群では全実験期間中ほぼ一定であった。心拍数はSHRSP群、WKY群ともに時間経過にともない低下した。腎交感神経活動は、SHRSP群、WKY群のどちらも変化は見られなかった。また、SHRSPの腰部交感神経活動は全実験期間を通して一定であったが、WKY群では低下した。 【考察】SHRSP群の動脈圧の上昇では、睡眠基礎レベルの上昇、日内差の増加、変動幅の増加の特徴が見られた。しかしこれらSHRSP群の動脈圧の上昇過程において、心拍数と交感神経活動は同様の変化を示さず、このことから高血圧発症を交感神経活動の増加によって説明するのは困難であると言える。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Acute Rho-kinase inhibition improves coronary dysfunction in vivo, in the early diabetic microcirculation.2013
Author(s)
James T Pearson, Mathew J Jenkins, Amanda J Edgley, Takashi Sonobe, Mandar Joshi, Mark T Waddingham, Yutaka Fujii, Daryl O Schwenke, Hirotsugu Tsuchimochi, Misa Yoshimoto, Keiji Umetani, Darren J Kelly and Mikiyasu Shirai
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Journal Title
Cardiovascular Diabetology
Volume: 12
Pages: 111-124
DOI
Peer Reviewed
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