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2011 Fiscal Year Research-status Report

TBK1の活性化メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 23790296
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

川崎 拓実  大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任研究員(常勤) (60584414)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords自然免疫 / TBK1 / IRF3
Research Abstract

はじめに病原体が細胞に感染すると、細胞はインターフェロンをはじめとする炎症性サイトカインを産生し、感染防御に重要な役割を果たす。病原体の認識には、病原体の特徴的な部位を細胞内のそれぞれのレセプターが認識する。その後、様々なシグナルたんぱく質をへて、シグナルが転写因子にまで伝わることでサイトカインの産生が開始される。各々の病原体由来のリガンドに対する細胞内のレセプターとレセプターからサイトカイン産生までに至るシグナリングの全容は明らかになりつつあるが、依然として不明な点も数多く残されている。TANK Binding kinase 1(TBK1)は、転写因子Interferon Regulatory Factor(IRF)3 を直接リン酸化する。リン酸化されたIRF3は核内に移行し、IP10をはじめとするサイトカインの発現を誘導する。TBK1によるIRFのリン酸化が、外来DNAの応答に必須であることは、in vitro、 in vivoの研究により明らかになったものの、どのようにTBK1の活性化が制御されているか?は依然不明である。本研究では、TBK1の活性化のメカニズムを明らかにするため、その活性化を制御する因子の探索と制御ドメインの構造を解明することを目的にしている。本研究は単にTBK1の活性化メカニズム理解だけでなく、将来の臨床応用に役立つ情報を提供すると期待できる。TBK1はある種の細胞のがん化に必須であると報告されており、TBK1の活性化を抑制するような化合物の開発は、新しいがん治療薬につながる可能性を秘めている。また、現在、効果的なアジュバンドの作成は非常に重要な課題であり、TBK1を特異的に活性化することができれば、アジュバンド効果を期待できる。これらのことから本研究で得られるTBK1の活性化メカニズムの理解が、将来の薬剤開発などの応用研究に役立つと考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

TBK1の活性化因子の探索のため、in vitroでのTBK1の活性化測定系を立ち上げた。測定系を用いて、様々な候補物質がTBK1の活性化に寄与するか検討したものの、そのいずれも影響を与えなかった。そこで細胞を分画し、どの分画にTBK1を活性化する物質を含んでいるのかを検討した。その結果、細胞膜成分を含む分画に活性化する因子が存在することが明らかになった。さらに詳しく調べるため、TBK1に結合する膜成分を探索したところ、結合する脂質を同定することに成功した。それら脂質のうち、TBK1-IRF3の活性化に寄与する脂質を、合成脂質を用いて同定した。さらに細胞内でのその脂質の役割を検討するため、脂質合成酵素を同定し、酵素の機能阻害がTBK1-IRF3シグナルを抑制することを明らかにした。一方、TBK1の構造を解明する研究は、TBK1の制御ドメインと考えられる部位を大腸菌に発現させたものの、発現がうまくいかなかったため、全長のTBK1たんぱく質を昆虫細胞系を用いて精製した。精製はうまくいくものの過剰発現による細胞毒性のためか発現量が向上しないため、たんぱく質の量が確保できていない。現在キナーゼ変異体を用いて精製を試みている。

Strategy for Future Research Activity

スクリーニングを経て同定した酵素は、今後ノックアウトマウスを作製することでさらに、in vivoレベルでの役割を明らかにする。同定した脂質が機能的に働くかどうか、合成脂質により細胞を刺激することができるか、in vivoでアジュバンドとして機能しうるか検討する。TBK1の構造は、発現を最適化させる条件をさらに検討する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

主に合成脂質や、マウス作製のための消耗品を中心に使用する。今回得られた結果を学会で発表するための、旅費としても使用する。

URL: 

Published: 2013-07-10  

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