2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23790296
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
川崎 拓実 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, その他 (60584414)
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Keywords | 自然免疫 / イノシトールリン脂質 / PIKfyve / ホスファチジルイノシトール5リン酸 |
Research Abstract |
病原体が細胞に感染すると、細胞はインターフェロンをはじめとする炎症性サイトカインを産生し、細胞から放出されたサイトカインは引き続きT細胞など獲得性免疫による生体防御の誘導などに重要な役割を果たす。サイトカインの産生は、自然免疫応答とよばれる、病原体の構造のレセプターによる認識から、その後、様々なシグナルたんぱく質をへて、転写因子にまで伝わる応答反応により開始される。各々の病原体由来のリガンドに対する細胞内のレセプターとレセプターからサイトカイン産生までに至るシグナリングの全容は明らかになりつつあるが、依然として不明な点も数多く残されている。TANK Binding kinase 1(TBK1)は、活性化し、転写因子Interferon Regulatory Factor(IRF)3 を直接リン酸化する。リン酸化されたIRF3は核内に移行し、インターフェロンをはじめとするサイトカインの発現を誘導する。TBK1によるIRFのリン酸化が、自然免疫応答に必須であることは、これまでの研究により明らかになっていたものの、どのようにTBK1-IRF3シグナルの活性化が制御されているか?は依然不明であった。本研究では、TBK1-IRF3シグナル活性化メカニズムを明らかにするため、その活性化を制御する因子の探索と制御ドメインの構造を解明することを目的にしている。これまでの研究により、TBK1-IRF3シグナルを調節する因子として新規に内因性のイノシトールリン脂質の一種であるイノシトール5リン酸を同定した。また、このホスファチジルイノシトール5リン酸はリン脂質キナーゼであるPIKfyveにより産生制御をうけることにより、病原体の応答に寄与していることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)