2012 Fiscal Year Research-status Report
一酸化窒素合成酵素完全欠損マウスを用いた大動脈瘤/大動脈解離発症の解明
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23790300
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
新垣 久美子 琉球大学, 医学部附属病院, 特命助教 (10568687)
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Keywords | 一酸化窒素合成酵素 |
Research Abstract |
一酸化窒素合成酵素系は、生体の恒常性維持に重要な役割を果たしており、動脈硬化の発症進展に一酸化窒素合成酵素系の破たんが関与しているのは広く知られている。動脈硬化を基盤とした病態のうち、大動脈瘤/大動脈解離については、その成因については多くが不明で、外科的手術や血管内治療以外の、根本的な予防や治療に結びつく内科的治療では、いまだに有効な治療薬は開発されていない。 そこで3種類の一酸化窒素合成酵素が欠損した一酸化窒素合成酵素完全欠損マウスを用いて、大動脈瘤/大動脈解離形成モデルを樹立し、当該疾患における一酸化窒素合成酵素の役割や相互作用を解明することを着想した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3種類の一酸化窒素合成酵素が欠損した一酸化窒素合成酵素完全欠損マウスを用いて、大動脈瘤/大動脈解離形成モデルを樹立し、当該疾患における一酸化窒素合成酵素の役割や相互作用を解明することをまず目標とした。 この一酸化窒素合成酵素完全欠損マウスでは、野生型マウスと比較し、生存率が低く死因の半分以上が自然発症の心筋梗塞で死亡していることが判明しており、さらに内臓脂肪型肥満、高血圧、脂質代謝異常、耐糖能異常、インスリン抵抗性などいわゆるメタボリックシンドロームの病態を表現型として有しており、大動脈瘤/大動脈解離を解明するうえで非常に有用なモデルである。 本研究では、一酸化窒素合成酵素完全欠損マウスに対して、高脂肪食を3から6か月間投与し、浸透圧ミニポンプを用いてアンギオテンシンII持続皮下投与を行い、大動脈の継時的変化、形態学的特徴を解析を続けている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、一酸化窒素合成酵素完全欠損マウスに対して、高脂肪食を3から6か月間投与し、浸透圧ミニポンプを用いてアンギオテンシンII持続皮下投与を行うことで、効率的大動脈瘤/大動脈解離を形成することをまず目標とし、さらに薬理学的作用を比較検討し、病態解明の糸口を模索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度同様に主に動物実験施設使用料と物品費に充てる予定である。
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