2012 Fiscal Year Annual Research Report
シクロフィリンA‐CD147シグナル系を基盤とした関節リウマチの新規病態分子機構
Project/Area Number |
23790311
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
西奥 剛 福岡大学, 薬学部, 助教 (90435115)
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Keywords | 関節リウマチ / シクロフィリンA / CD147 |
Research Abstract |
シクロフィリンA(CypA)はイムノフィリンファミリーのひとつで、細胞質に存在するタンパク質であるが、炎症病態時には細胞外へ遊離される。この細胞外CypAの受容体として同定された分子がCD147であり、がん細胞の浸潤転移の大役を担っている。これまでの研究により、CypAとCD147は、MMPの発現誘導、血管新生、細胞の接着や遊走など多面的機能を有することが示唆されている。しかし、関節リウマチ病態の発症・進展における細胞外CypAならびにCD147の役割についてその詳細は不明である。本研究では、関節リウマチの炎症・骨破壊進展におけるCypA‐CD147シグナルの分子病態機構を明らかにする。平成24年度は、CypA-CD147シグナルによる滑膜血管内皮細胞の細胞接着分子の発現ならびに単球の接着について検討した。ヒト滑膜毛細血管内皮細胞(HSMEC)を用い、細胞外CypAによる細胞接着分子(ICAM-1ならびにVCAM-1)の発現変化について検討した。HSMECにおけるICAM-1とVCAM-1の発現はCypA刺激により有意に増加した。また、CypA刺激によりHSMECへのヒト単球(THP-1)の接着が有意に増加した。このCypAによるICAM-1とVCAM-1の発現増加ならびにTHP-1の血管内皮細胞への接着増加はシクロスポリンA(CsA)により抑制された。さらに、抗CD147 抗体によりHSMECのCD147を刺激したところ、ICAM-1ならびにVCAM-1の発現は有意に増加し、THP-1のHSMECへの接着も有意に増加した。細胞外Cyp Aは、滑膜血管内皮細胞のCD147に作用し、ICAM-1ならびにVCAM-1の発現を増大させ単球やマクロファージの接着・浸潤を誘発することが示唆された。
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Research Products
(6 results)