2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23790324
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Research Institution | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
Principal Investigator |
進藤 英雄 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (10401027)
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Keywords | リン脂質 / 生理活性 / リゾリン脂質アシル転移酵素 |
Research Abstract |
生体膜リン脂質生合成酵素であるリゾリン脂質アシル転移酵素をターゲットとして研究を進めた。 (1)Koeberle A, Shindou H, et al. J. Biol. Chem. 287. 27244-54:パルミトレイン酸(16:1)が生理活性を持つことがわかった。さらに、このパルミトレイン酸はホスファチジルイノシトール(PI)に蓄えられていることが推測できた。パルミトレイン酸は細胞増殖を促進する作用を持つ、脂質メディエーターである。 (2)Eto M, Shindou H, et al. Int J Mol Sci. 13. 16267-80:マウスC3H10T1/2細胞はインスリンなどと培養すると脂肪細胞に分化される。この分化時に生体膜リン脂質組成、リゾリン脂質アシル転移酵素発現(mRNA)、その酵素活性の変動を策定した。その結果、リゾホスファチジルコリンアシル転移酵素3(LPCAT3)が時間依存的に誘導され、酵素活性やリン脂質変動もLPCAT3の性質と一致していた。LPCAT3は主にアラキドン酸をホスファチジルコリン(PC)に組み込む活性を持つ。LPCAT3がアラキドン酸を生体膜リン脂質に組み込む事が、脂肪細胞機能に重要であると予測できた。 (3)Koeberle A, Shindou H, et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 110. 2546-51:アラキドン酸を含有するPC(PC-20:4)が細胞周期のG1期に増加していることがわかった。膜リン脂質のPC-20:4が増加するとAktの膜移行を阻害し、細胞増殖を抑制している事がわかった。今後は、どのリゾリン脂質アシル転移酵素が、この機能に影響を与えているPC-20:4を生合成しているかを解析する必要がある。 他に、研究期間中にレビューを執筆し、投稿中である。
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