2012 Fiscal Year Annual Research Report
PIP3ホスファターゼSKIPを標的とした生体内骨格筋量の増強
Project/Area Number |
23790336
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
伊集院 壮 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00361626)
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Keywords | 骨格筋 / インスリン様増殖因子 / 糖尿病 / 筋萎縮 / SKIP |
Research Abstract |
本研究は骨格筋に多く発現するPIP3ホスファターゼSKIP(Skeletal muscle and kidney enriched inositol polyphosphate phosphatase)を標的として、骨格筋の量および機能改善を目指したものである。骨格筋量の増強にはインスリン様増殖因子(IGF-1)に依存したタンパク質発現の促進が必要である。IGF1はPI3-kinase-Aktシグナル伝達機構を活性化するが、SKIPはPIP3の脱リン酸化を介してAktの活性化を顕著に抑制し、タンパク質発現を負に制御している。本研究では、骨格筋細胞におけるSKIPによるIGF1シグナルの制御機構の解析を行い、大きく3つの成果を得た。①PIP3ホスファターゼの機能が非相補的であり、骨格筋でのインスリンシグナルの制御に関してはPIP3ホスファターゼの中でもSKIPが特異的にコントロールしていた(Ijuin and Takenawa, J. Biol. Chem. 2012a)。②SKIPはPak1のscaffold機能を介してAkt2やPDK1とタンパク質複合体を形成し、これらの分子に結合するPIP3の速やかな脱リン酸化と不活性化を起こしていることと、これがSKIPによる特異的なインスリンシグナルの制御と糖代謝の制御に貢献していることを明らかにした(Ijuin and Takenawa, Mol. Cell. Biol. 2012)。③ SKIPはIGF1シグナルを負に制御し、骨格筋細胞の分化・細胞融合を抑制することおよび、骨格筋細胞の大きさを負に制御することを明らかにした(Ijuin and Takenawa, J. Biol. Chem. 2012b)。
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