2011 Fiscal Year Research-status Report
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23790340
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
日野 真一郎 宮崎大学, 医学部, 助教 (00372699)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 生体分子医学 |
Research Abstract |
小胞体内の異常タンパク質を感知するセンサーBBF2H7およびOASISの機能解析から、それぞれが軟骨形成と骨形成に関わることを見出した。これら分子の活性化機構を詳細に検討したところ、E3ユビキチンリガーゼHRD-1/SynoviolinがBBF2H7およびOASISのタンパク質の安定性を制御している可能性を得た。当該年度に実施した成果から、BBF2H7は軟骨細胞で、OASISは骨芽細胞内でHRD-1/Synoviolinと複合体を形成し、BBF2H7およびOASISのタンパク質分解を制御していることがわかった。HRD1/Synoviolinが欠損するMEF細胞を用いてBBF2H7およびOASISのタンパク質量を解析した結果、野生型MEF細胞に比べHRD1欠損MEF細胞では著しくBBF2H7およびOASISのタンパク質量が増えていた。HRD1欠損株にBMP2を用いて分化誘導を行うと有意なコラーゲンの分泌増加を認めたことから、HRD-1/Synoviolinの軟骨形成と骨形成における役割が明らかとなった。さらなる制御機構の解明を目的に、酵母two-hibrid法を用いて、HRD-1/Synoviolinに結合する因子のスクリーニングを行ったところ、DENN domain-containing protein、Myt1、Keratin15の分子を得た。これらの分子は細胞の分化・成熟に関わる因子であることから、HRD1/Synoviolinは軟骨形成と骨形成のみならず、他の組織においても細胞の分化・成熟に関わっている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
軟骨細胞あるいは骨芽細胞におけるHRD-1/Synoviolinの作用機構の解析においては、おおむね計画どおり達成することができた。新規結合因子のスクリーニングにおいては、酵母two-hibrid法に加え骨芽様細胞株あるいは前駆軟骨細胞株のライセートからの免疫沈降法により検討を行ったものの、軟骨細胞あるいは骨芽細胞に特異的な新規分子の同定には至らなかった。現在のところ、当初目的とした軟骨細胞あるいは骨芽細胞内での特異的なターゲット同定の目的には達していないが、細胞分化に関与する可能性のある新規HRD-1/Synoviolin結合タンパク質の候補遺伝子を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
新規HRD-1/Synoviolin結合タンパク質のトランスジェニックマウス作製し、骨芽細胞あるいは軟骨細胞における病理組織学的・分子生物学的解析を当初予定していたが、スクリーニングの結果から、HRD1/Synoviolinが他の組織においても細胞の分化・成熟に関わっている可能性を得た。今後は、軟骨形成と骨形成のみならず種々の組織におけるHRD1/Synoviolinの生体内での役割の解明にも重点を置く。そのために、in vivoエレクトロポレーション法を用いたノックダウンや発現解析などを行い、各組織での病理組織学的検討も行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究を遂行するにあたっては、分子生物学用試薬、牛胎児血清、抗体、アイソトープ、細胞培養用試薬・器具、RNAi、実験動物の購入および維持などの多額の消耗品が必要であり、科学研究費は主として消耗品購入にある。
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Research Products
(3 results)