2011 Fiscal Year Research-status Report
4次元イメージングによるテロメレース関連蛋白質および機能性RNAの動態解析
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23790349
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
大岡 静衣 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (80313097)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ヒトテロメレース / がん幹細胞 / イメージング |
Research Abstract |
がん幹細胞機能維持分子群(human telomerase reverse transcriptase (hTERT)、BRG1、Nucleostemin (NS))の4次元イメージング解析により、M期に重要な構造体に局在することを明らかにしていたが、がん幹細胞機能維持分子群それぞれのノックダウンによりM期細胞数が増加することを見いだした。したがって、がん幹細胞機能維持分子群は、M期に重要な構造体に局在し、M期の細胞分裂進行に寄与することを示唆した。がん幹細胞機能維持因子のひとつであるhTERTに対するマウスモノクローナル抗体 (mAb) を作製した。この抗 hTERT mAb を生細胞に導入したところ、抗 hTERT mAbががん幹細胞機能維持分子群をM期に重要な構造体以外の場所にトラップしている像が免疫細胞染色により観察された。そして、抗 hTERT mAb 導入細胞ではM期細胞数が増加した。以上の結果より、抗 hTERT mAbは、細胞内のがん幹細胞機能維持分子群をM期に重要な構造体以外の場所に局在させることにより、M期に重要な構造体に局在するがん幹細胞機能維持分子群を減少させ、M 期の細胞分裂進行を阻害している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
固定細胞内および生細胞内を用い、がん幹細胞機能維持分子群の4次元局在解析を行った結果、より詳細な分子群の局在が明らかになり、それらの機能解明の糸口となった。また、研究室で作製していた抗hTERT mAbのスクリーニングが終了し、良い抗体が得られたことから、この抗体を用いた実験を進めたことで、M期におけるがん幹細胞機能維持分子群の機能解析が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度に引き続き、固定細胞内局在の経時解析等によるがん幹細胞機能維持分子群の機能解析を進める。がん幹細胞機能維持分子群とM期細胞分裂進行に関して、論文化に向けたデータをさらに蓄積する。Putativeヒト複合体に関与する機能性RNAの検索と細胞内機能性RNAのイメージングについては、プローブの細胞導入と観察を行い、リアルタイムイメージング系を確立する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度の実験計画遂行と、23年度の結果の論文化に向けた追加実験や論文作成に必要な消耗品購入、学会等参加旅費等に充当する。
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