2012 Fiscal Year Annual Research Report
アポCIIIの動脈硬化における役割-新規遺伝子改変ウサギによる検討
Project/Area Number |
23790359
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小池 智也 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40432158)
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Keywords | アポリポ蛋白CIII / トランスジェニックウサギ |
Research Abstract |
アポリポ蛋白CIII(アポCIII)は、中性脂肪に富むリポ蛋白の主要な構成蛋白であり、最近の臨床研究の結果から、アポCIIIが動脈硬化の発生進展に深く関与する可能性が示唆された。アポCIIIの解析において、マウスのアポCIII並びに脂質代謝系はヒトとは大きく異なるため、本研究では、ヒトと類似したアポCIIIと脂質代謝系を併せ持つウサギを用いて、ヒトアポCIIIトランスジェニックウサギを開発し、脂質代謝と動脈硬化におけるアポCIIIの役割を明らかにすることを目的とした。 本年度は昨年度に引き続き、アポCIIIトランスジェニックウサギを作製すべく、マイクロインジェクションを行った。採卵ドナーウサギにFSHによる過排卵処置を行い、♂ウサギとの交配を行った後、19時間後に採卵した。本年度は、受精卵へのマイクロインジェクション後、3-4時間培養し、生存胚(2細胞期ないし4細胞期への卵割)を選抜して、レシピエントウサギ1匹あたり30個の受精卵を戻した。240個の受精卵を9匹のレシピエントウサギに移植したところ、全てのウサギが正常に妊娠し、出産した。計48匹の仔ウサギが生まれ、32匹が離乳まで正常に成長した。これらの仔ウサギの耳組織の一部を採取し、PCRによるアポCIII遺伝子の導入を確認したところ、残念ながらアポCIII遺伝子が導入されたウサギは得られなかった。しかしながら、マイクロインジェクション法の改善により、昨年度に比べ、格段にレシピエントの妊娠・出産率が向上したため、今後もマイクロインジェクションを継続し、アポCIIIトランスジェニックウサギの開発を試みる。
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[Journal Article] Human apolipoprotein A-II protects against diet-induced atherosclerosis in transgenic rabbits.2013
Author(s)
Wang Y, Niimi M, Nishijima K, Waqar AB, Yu Y, Koike T, Kitajima S, Liu E, Inoue T, Kohashi M, Keyamura Y, Yoshikawa T, Zhang J, Ma L, Zha X, Watanabe T, Asada Y, Chen YE, Fan J.
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Journal Title
Arterioscler Thromb Vasc Biol.
Volume: 33
Pages: 224-231
DOI
Peer Reviewed
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