2011 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子改変ウサギモデルによる動脈プラーク破綻におけるMMP-9の役割の解析
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23790395
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
康 徳東 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (00571952)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | MMP-9 / ウサギ |
Research Abstract |
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-9の動脈硬化の発生・進展における役割を明らかにする目的で、MMP-9を過剰発現するトランスジェニックウサギの作製とそれを用いた動脈硬化実験を計画した。 初年度では、申請時に既に作製されていた1羽のfounderウサギの他に、発現量の異なる複数系統を開発する目的でマイクロインジェクションを行い、新たに1羽のfounderウサギの開発に成功した。2羽のfounderウサギを元に、2系統のMMP-9トランスジェニック(Tg)ウサギを確立するため、我々が開発したウサギの人工授精法を駆使して繁殖を行い、F2~3世代までのMMP-9遺伝子導入ウサギの誕生に成功した。これらの2系統にて、遺伝子導入から特異的発現、機能的蛋白発現までを解明すべく、各系統のウサギよりマクロファージなど体内の各種臓器を網羅的に採取し、southern blotting, northern blotting, western blottingならびにgelatin zymographyを行った。その結果、MMP-9遺伝子の染色体への組み込みと、スカベンジャー受容体プロモーターによるマクロファージ特異的MMP-9 mRNA・蛋白発現、ならびに、遺伝子非導入同腹ウサギと比較しMMP-9酵素活性が著明に増大していることを明らかにした。 これらの確立された2系統を用いて人工授精法により繁殖を行い、産まれた子ウサギの耳組織の一部を採取してgenotypingを行った。これにより、次年度で行う動脈硬化実験に必要な数のMMP-9・Tgウサギと同腹のnon-Tgウサギの確保に成功した。今後は、産子が6ヶ月齢になった時点で、順次、動脈硬化実験を開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、複数系統のfounderウサギの作製に成功し、平成24年度から行う動脈硬化実験のための繁殖にも成功している。現在既に、複数のウサギが6ヶ月齢となったため、動脈硬化実験を順次開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画の通り、6ヶ月齢のMMP-9・Tgウサギと同腹のnon-Tgウサギに0.3%コレステロール添加食を16週間投与し、高脂血症ならびに動脈硬化の誘導を行い、MMP-9の過剰発現の有無が動脈硬化の発生進展に及ぼす影響を検討する。 また、当初の計画に沿って、MMP-9・Tgウサギを、重度の冠状動脈硬化と心筋梗塞を自然発症するWHHLMIウサギと交配させることにより、WHHLMIウサギにMMP-9を過剰発現させたモデル動物の開発も開始する。この開発が本年度中に成功できれば、平成25年度にこのモデルを用いた実験を遂行する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
MMP-9・Tgウサギの解析に必要とするF1ウサギの繁殖が初年度計画に間に合わなかったことで、研究経費の一部は次年度に繰り越すことにした。現在MMP-9・TgウサギのF1繁殖は順調に行われており、本年度ではMMP-9・TgウサギのGenotypingや遺伝子発現の様式についての解析に前年度の繰越経費で賄う。H24年度の研究費執行については、動脈硬化実験に必要となる特殊高脂肪餌や血漿脂質測定キット、病理標本の作製、抗体、遺伝子解析用の試薬などを購入する。また、研究結果を発表するために、国内学会(日本動脈硬化学会と日本病理学会)への出席も計画している。
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