2011 Fiscal Year Research-status Report
がん細胞とマクロファージの細胞間相互作用に注目した新規予後予測因子の探索
Project/Area Number |
23790407
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
菰原 義弘 熊本大学, 生命科学研究部, 講師 (40449921)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | マクロファージ |
Research Abstract |
グリオーマ細胞、腎細胞がん細胞、リンパ腫細胞とマクロファージの共培養実験を行いそれぞれの細胞間相互作用について検討した。その結果、グリオーマ細胞(T98G)、腎細胞癌細胞(MAMIYA)、リンパ腫細胞(SLVL、ATN1)細胞は、M2マクロファージと共培養することで活性化しBrdUの取り込みも有意に増加した。共培養実験では2種類の細胞が混合するため、それぞれの細胞での解析が大変困難であるが、BrdUとマクロファージの二重染色を行うことで、がん細胞でのBrdU取り込み率の解析を行うことができた。T98GとSLVL、MAMIYA細胞では、マクロファージとの共培養でStat3のリン酸化が誘導された。受容体型チロシンリンキナーゼアレイを用いて、細胞間相互作用にかかわる因子を探索した。その結果、M-CSFRを介する細胞間相互作用が明らかとなった。約70症例のHigh grade glioma症例のパラフィン切片を用いてpMCSFRと臨床予後の相関性を解析したところ、M-CSFRの活性化が強い症例では予後が悪い傾向にあった。本研究では、M-CSFRを介するがん細胞とマクロファージの細胞間相互作用を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グリオーマにおける腫瘍細胞とマクロファージの細胞間相互作用について1つの新しいメカニズムを見出した。予後予測因子としても有用である。熊本大学付属病院の検体を用いて、今回同定した分子に関する免疫染色をおこなうために、現在準備中である。Preliminaryな検討では、そのうちのpMCSFRに関しては予後と有意な相関がみられた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、同様の手法を用いて、悪性リンパ腫領域の研究を進める予定である。熊本大学だけでなく、他大学の病理学教室にも協力を依頼している。また、基礎演習で指導した学生も、3名であるが当研究に興味を示しており、課外であるにもかかわらず研究に参加したいと意欲的であり、学生の指導も含めて当研究を遂行していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
同様の研究を、悪性リンパ腫の実験系に応用するため、さまざまなサイトカインに対するELISAのキットやRTKアレイなどを購入する。申請時の金額と同様である。旅費に関しても、海外への学会はないが、国内での学会に数回参加予定である。論文も準備中なので、投稿代や英文構成代も含んでいる。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] M2 macrophage/microglial cells induce activation of Stat3 in primary central nervous system lymphoma2011
Author(s)
Komohara Y, Horlad H, Ohnishi K, Ohta K, Makino K, Hondo H, Yamanaka R, Kajiwara K, Saito T, Kuratsu J, Takeya M.
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Journal Title
J Clin Exp Hematol
Volume: 51
Pages: 93-99
Peer Reviewed
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