2012 Fiscal Year Annual Research Report
がん細胞とマクロファージの細胞間相互作用に注目した新規予後予測因子の探索
Project/Area Number |
23790407
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
菰原 義弘 熊本大学, その他の研究科, 講師 (40449921)
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Keywords | 癌 / マクロファージ / 細胞間相互作用 / グリオーマ / ATLL |
Research Abstract |
腫瘍の微小環境は腫瘍細胞の増殖に大きな影響を及ぼすことは良く知られた事実であるが、微小環境の種々の要素の中でマクロファージが重要な役割を占めることが近年クローズアップされている。腫瘍組織に浸潤するマクロファージはTumor-associated macrophage (TAM)と呼称される。一般的にTAMはM2マクロファージに偏倚し、血管新生を誘導するとともに腫瘍免疫を抑制することによって、腫瘍増殖をサポートしていると考えられる。本研究では、グリオーマ組織と成人T細胞白血病組織におけるTAMを解析し、双方の腫瘍組織内には多数のTAMが存在していることを明らかにした。特にCD163陽性のM2TAMが多い症例ほど予後が悪いという観察結果が得られた。更に、培養実験では、グリオーマ細胞とリンパ腫細胞はマクロファージと共培養することで強い活性化が誘導された。特に腫瘍細胞の活性化には腫瘍細胞がマクロファージと直接接着することが重要であった。グリオーマの場合は腫瘍細胞に発現する膜型M-CSFがマクロファージのCD115(M-CSFR)を強く刺激することで、マクロファージが活性化させ、活性化マクロファージから誘導されるサイトカインが腫瘍細胞を活性化させるというメカニズムであった。リンパ腫細胞を用いた検討では、マクロファージ由来のC5a、TNF-a、GRO-a,IL-6、I-309などが腫瘍細胞の活性化を誘導することが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)