2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23790423
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
山本 泉 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60600468)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | カベオリン1 / 腎障害モデル / 移植腎病理 / 間質線維化 / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
本研究の目的は、腎臓におけるCaveolin-1の意義について、Caveolin-1ノックアウトマウス、トランスジェニックマウス、ワイルドタイプマウスの3群を用いて、移植腎病理に重要である実験腎炎モデルである(1)虚血再潅流モデル、(2)尿細管結紮モデル、(3)eNOS阻害剤投与モデル、(4)抗VEGF抗体投与モデル、(5)移植モデルについて、シリウスレッド、マッソン染色、抗αSM抗体を間質線維化マーカーとして用いることで、線維化の進展とCaveolin-1の関連について検討することである。その中で、特に腎臓内の毛細血管であり、移植腎の腎予後に重要な慢性拒絶反応の場と考えられる、糸球体毛細血管及び傍尿細管毛細血管の内皮細胞におけるCaveolin-1とカベオラ形成の変化について検討することを目的とした。 本年度は、Caveolin-1の正常腎での発現について、ヒト及びマウスにおけるCaveolin-1発現をCaveolin-1ノックアウトマウスを陰性コントロールとして用いて決定した。Caveolin-1は腎動脈から小葉間動脈、輸入細動脈にかけて内皮細胞および中膜平滑筋細胞で発現が亢進し、糸球体内皮細胞でほぼ消失したのち、輸出細動脈から傍尿細管毛細血管、下行直細血管の内皮細胞に発現の亢進が認められた。また、糸球体においては、メサンギウム領域にも発現の亢進が認められた。ヒトでは、傍尿細管毛細血管では発現はほぼ消失しており、ヒトとマウスにおけるCaveolin-1の発現が異なっていることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現在電子顕微鏡を用いたカベオラ形成の分布を解析中であり、おおむね計画通り遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は平成23年度に確立したCaveolin-1染色法を用いて、(1)虚血再潅流モデル、(2)尿細管結紮モデル、(3)eNOS阻害剤投与モデル、(4)抗VEGF抗体投与モデル、(5)移植モデルについて、シリウスレッド、マッソン染色、αSMなどの間質線維化マーカーを用いて線維化の進展について検討する予定である。また、共焦点顕微鏡を用いて、Caveolin-1蛍光染色における発色を半定量化することで、各部位のCaveolin-1発現量を定量化する予定である。また、腎臓内の毛細血管である、糸球体毛細血管及び傍尿細管毛細血管の内皮細胞におけるカベオラ形成について電子顕微鏡による観察を合わせて検討を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度は電子顕微鏡による解析が進行中で終了していないため、未使用残額が生じた。平成24年度は蛍光二重染色に必要な各種抗体や、シリウスレッド、マッソン染色、また、二次抗体に使用するAlexa各種抗体、染色における各種消耗品、プレパラート、スライドガラス、PBS、TBS、アジ化ナトリウム、BSA、ミクロピペット等々に使用を予定している。
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