2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23790423
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
山本 泉 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60600468)
|
Keywords | カベオリン1 / 腎障害モデル / 移植腎病理 / 間質線維化 / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
本研究は、腎臓におけるCaveolin-1の意義について、Caveolin-1ノックアウトマウス、トランスジェニックマウス、ワイルドタイプマウスを対象として、腎移植と関連の深い実験腎炎モデルを用いて検討することを目的としている。間質線維化だけでなく、特に、腎臓内の微細毛細血管である糸球体毛細血管および傍尿細管毛細血管に焦点を当て、これらの内皮細胞におけるカベオラの形態およびその構造蛋白であるCaveolin-1発現の変化を検討することを目的とした。 平成24年度は、電子顕微鏡を用いて、内皮細胞のカベオラ形態について検討を行い、前年度に確立したCaveolin-1分子の正常発現分布との比較を行った。カベオラは、小葉間動脈レベルから、輸入細動脈まで分布し、糸球体の入り口から内皮細胞のfenestrationに随伴して消失が認められた。その後輸出細動脈から再びカベオラ形態が確認されたが、傍尿細管毛細血管では、再度fenestrationに随伴してカベオラ形態の消失が認められた。その後Descending vasa rectaから、再びカベオラ形態が確認されたが、Ascending vasa rectaには認められなかった。以上より、傍尿細管毛細血管においては、Caveolin-1は陽性であるにもかかわらず、カベオラ形態は失われていることが証明しされた。共焦点顕微鏡を用いた検討では、傍尿細管毛細血管内皮細胞では、カベオラ形成がないにも関わらず、Caveolin-1の発現量は小葉間動脈、輸入輸出細動脈、Decending vasa rectaとほぼ同等であった。 ①虚血再灌流モデル、②尿細管結紮モデル、③eNOS阻害剤投与モデル、④抗VEGF抗体投与モデルで同様の検討を行ったが、内皮細胞におけるカベオラおよびCaveolin-1の発現量に変化は認められなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は内皮細胞のカベオラおよびCaveolin-1の評価は遂行できたものの、実験腎炎モデルにおける間質線維化の評価が未施行であり、未使用残高が生じた。平成25年度はひきつづきこれらの評価を行っていく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
①虚血再灌流モデル、②尿細管結紮モデル、③eNOS阻害剤投与モデル、④抗VEGF抗体投与モデルおよび⑤移植腎モデルにおけるCaveolin-1の役割を間質線維化に焦点を当てて検討していく予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
①虚血再灌流モデル、②尿細管結紮モデル、③eNOS阻害剤投与モデル、④抗VEGF抗体投与モデル⑤移植腎モデルでの間質線維化マーカーを用いた評価が完全には終了していないため未使用残高が生じた。引き続きこれらの検討を予定している。
|