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2011 Fiscal Year Research-status Report

ライソゾーム病における免疫異常の関与機構の解明

Research Project

Project/Area Number 23790448
Research InstitutionYokohama City University

Principal Investigator

山口 章  横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (20381585)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywordsライソゾーム病 / 自己抗体 / 炎症反応 / ケモカイン
Research Abstract

ライソゾーム病のひとつであるサンドホフ病(SD) は、ライソゾーム酵素の遺伝的欠損により、その基質である糖脂質が蓄積し、神経症状を呈して死亡する難病である。近年の研究で、この病態の進行には中枢神経系で起きている炎症反応が深く関与していることが報告されており、その炎症反応は細胞へのガングリオシドの蓄積以外の要因により、が引き起こされることが示唆されている。現在までに我々は、SDにおいて代謝できないガングリオシドに対して自己抗体が産生されており、これら自己抗体がこの病態の進行に深く関与していることを見出した。また、中枢神経系において、病気の進行と共に組織特異的自己免疫疾患においてその病変部で発現が認められるB細胞遊走性ケモカインCXCL-13の高発現を確認し、その発現の局在を免疫染色法で解析した結果、主に神経細胞の脱落が見られる脳幹部分のグリア細胞で発現していることを確認した。現在SDマウスにおけるCXCL-13を介した自己抗体産生メカニズムをより詳細に解析するため、cxcl-13 -/-遺伝子欠損マウスとSDマウスと交配を行いcxcl-13 -/-,hexb-/-遺伝子欠損マウス(DKOマウス)の作成を始めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

SDマウスにおいて、自己抗体の産生に深く関与していると考えられているケモカインCXCL-13は主に中枢神経系、胸腺、リンパ節などで発現していることを見出した。また、免疫染色法によりその局在を確認した結果、主に末梢臓器ではマクロファージ、中枢神経系でマイクログリアなど発現していることを確認した。更に中枢神経系におけるCXCL-13の発現量を経時的に確認した結果、病態の進行と共に発現量が増加していることを確認した。このことから、CXCL-13がSDの病態に深く関与していることが示唆されるため、外部機関よりcxcl-13 -/-遺伝子欠損マウスを購入し、SDマウスと交配を行いcxcl-13 -/-,hexb-/-遺伝子欠損マウス(DKOマウス)の作成を始めた。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度はcxcl-13 -/-,hexb-/-遺伝子欠損マウス(DKOマウス)を用い、下記の研究を行うことにより自己抗体産生機序と病態への影響を解明する。1.自己抗体の産生が抑制されていると推測されるため、自己抗体産生量をELISA法にてそれぞれ評価する。2.DKOマウスの寿命及び運動能を解析することにより、CXCL-13の病態への関与を評価する。3.計画ではサイトカインアレーによるサイトカインの発現解析を予定していたが、DKOマウスの中枢神経系でのマイクロアレーを用いた遺伝子発現の網羅的に解析を行い、CXCL-13に関連した遺伝子発現ネットワークを解析することに変更する。4. SDマウスの免疫異常をターゲットした治療法の基礎研究として、免疫グロブリン大量療法(IVIg)、及びCXCL-13中和抗体をSDマウスに投与し、その治療効果を上記(1)-(3)で得られた知見を基に評価する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

予定していたサイトカインアレーをマイクロアレーに変更し、平成24年度に実施する。そのため、使用を予定している研究費として、申請した1, マウス飼育費2, 試薬類(PCR試薬など)3, 抗体類に更にサイトカインアレーの実施費用を40万円(サイトカインアレーとの差額分)が追加される。

URL: 

Published: 2013-07-10  

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