2011 Fiscal Year Research-status Report
抗ハプテンIgEによるアレルゲン多様化モデルの検討
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23790450
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
安田 好文 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (50333539)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 好塩基球 / IgE / ハプテン / アレルギー |
Research Abstract |
アレルギーの発症におけるアレルゲン特異的Th2細胞が誘導されるメカニズムは未だに明らかではない。本研究では好塩基球がIgE依存性にTh2細胞を誘導することで、一つの抗原がアレルゲンになることをきっかけに、多様な抗原に対してもTh2誘導、IgE産生する機序を明らかにすることを目的とする。1. 内因性IgEと抗原で刺激された好塩基球の生体内でのIL-4産生G4(GFP/IL-4)ヘテロマウスをOVA/Alumで免疫し、10-14日後にOVAをi.v.投与して末梢血中および脾臓、リンパ節、骨髄中のGFP陽性細胞をフローサイトメトリーにて探索したところ、好塩基球がGFP陽性細胞であった。つまり、抗原特異的IgEを持つマウスに抗原が侵入すると、好塩基球がこれに反応してIL-4を産生することが明らかとなった。2. DNP-HSA免疫マウスにDNP-OVAを投与し、さらにこのマウスにOVAを追加投与すると好塩基球依存的に抗OVA-IgEが誘導されることマウスをDNP-HSA/Alumで免疫し、10-14日後DNP-OVAをi.v.投与し、さらにOVAのみをi.v投与し、経時的な血中OVA特異的IgE濃度の変化を調べたところ、血中にOVA特異的IgEが検出された。つまりDNP-HSAで免疫したマウスに、新たなアジュバントなしで抗OVA-IgE抗体が誘導されることが示された。そのメカニズムとしては、内因性抗DNP-IgE抗体と外来DNP-OVAが結合した免疫複合体(IC)を好塩基球が取り込み、T細胞にOVAペプチド抗原を提示して新たなOVA特異的Th2細胞を誘導している可能性が考えられる。3. 好塩基球とIgEが増加する寄生虫感染(Strongyloides venezuelensis)において、IgE上昇と好酸球性肺炎誘導にIL-33が関与することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
内因性IgEと抗原によって生体内で好塩基球がIL-4を産生することを明らかにした。さらにDNP-HSAで免疫したマウスに、新たなアジュバントなしで抗OVA-IgE抗体が誘導されることを示した。これは当初の計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫複合体でTh2細胞が誘導されるメカニズムを抗原提示細胞、IL-4産生細胞に焦点をあてて解析する。1. IC免疫における好塩基球と樹状細胞の関与を調べるIC投与で好塩基球依存的にTh2細胞/IgEが誘導される際の樹状細胞の関与は不明である。そこでCD11cDTRマウス[樹状細胞にジフテリアトキシン受容体(DTR)を発現]にDTを投与して、樹状細胞を除去後、ICを投与してOVA特異的IgE誘導およびTh2誘導を検討する。樹状細胞不在化でもTh2,IgEともに誘導されると予想されるが、できなかった場合は、BasTreckマウスを用いて再度好塩基球の役割を検討する。両方が必要な場合は、それぞれがIgE産生に貢献していると考えられる。2. IC投与マウスの好塩基球と樹状細胞の役割の解析(IL-4産生、抗原提示能)平成23年度1.で、GFP陽性細胞が増加していた組織内での好塩基球と樹状細胞の局在を免疫染色し、CD4T細胞と位置関係を明らかにする。好塩基球の免疫染色法は既に確立している。また好塩基球、樹状細胞表面の共刺激分子の発現パターンの変化を調べる。またIL-3を投与して好塩基球を増やした正常マウスにICを投与し、24時間後に脾臓(あるいはGFP陽性好塩基球の多い時間、臓器)から好塩基球を回収する。これをOVA特異的TCRトランスジェニック(Tg)マウスDO11.10由来ナイーヴCD4T細胞とともに培養し、ICで刺激された好塩基球が抗原提示能を持つこと、ICから取り込んだ抗原をT細胞に提示できること、さらにTh2を誘導できることを明らかにする。抗原提示能が認められない場合は、同マウスより樹状細胞を回収し、同様に抗原提示能を検討する。以上より、抗ハプテンIgE依存的にタンパク質抗原特異的Th2が誘導されるメカニズムを解明する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国内の学会等の日程から海外の学会への参加を取りやめたため、旅費がかからず、次年度への繰越金が発生した。次年度は申請時の予定では210万円であったが、請求額130万円+繰越し分約30万円となるため、抗体などの試薬30万円、ELISAキット45万円、実験用動物で25万円、その他10万円、旅費50万円を使用する予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Contribution of IL-33-activated type II innate lymphoid cells to pulmonary eosinophilia in intestinal nematode-infected mice.2012
Author(s)
Yasuda K, Muto T, Kawagoe T, Matsumoto M, Sasaki Y, Matsushita K, Taki Y, Futatsugi-Yumikura S, Tsutsui H, Ishii KJ, Yoshimoto T, Akira S, Nakanishi K.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A.
Volume: 109
Pages: 3451-3456
DOI
Peer Reviewed
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