2012 Fiscal Year Annual Research Report
Trib1/2ダブルノックアウトマウスを用いた造血幹細胞分化における機能解析
Project/Area Number |
23790451
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Research Institution | 公益財団法人がん研究会 |
Principal Investigator |
横山 隆志 公益財団法人がん研究会, がん研究所 発がん研究部, 研究員 (00535833)
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Keywords | 造血 / Trib1 / Trib2 / 白血病 / C/EBPa / 顆粒球分化 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
白血病原因遺伝子Trib1およびTrib2KOマウスの解析をおこない,Trib1/2の正常組織における発現比較と造血細胞の分化における機能について検討した.平成23年度の研究ではTrib1,Trib2各KOマウスの成体および13.5日胚の凍結切片を作製し,β-gal染色によりTrib1/2の発現を調べた. Trib1KOマウスの骨髄においては分葉核白血球の割合が増加おり,C/EBPαタンパク質量とC/EBPαの標的で顆粒球分化を誘導する遺伝子の発現亢進が見られた.このことからTrib1はC/EBPαを分解により調節し,顆粒球分化を制御していることが示唆された.一方Trib2KOマウスではこれらの異常は見られず,Trib1/2ダブルKOにおいてもTrib1シングルKOと同程度の分化促進が見られた. 平成24年度の研究では正常マウス骨髄におけるTrib1とTrib2の発現量をqPCRで比較し, Trib1はTrib2の約5倍発現が高いことがわかった.このためTrib2KOマウスではTrib1による機能補完のため分化促進がおこらず,またTrib1/2ダブルKOによっても相乗効果が見られないことが考えられた.Trib1, Trib2の各KOマウスの骨髄細胞を用いてcolony formation assayをおこなったが,分化の異常は見られなかった. またTrib1/2各KOマウスの骨髄細胞においてIL3刺激時のMEKやERKのリン酸化に違いが見られなかったため,現在Ras/ERK経路の活性化が見られる白血病におけるTrib1/2の機能についても調べている.コンディショナルKOマウスの骨髄細胞にFLT3-ITDやBCR-ABLを導入して白血病細胞株を作製し,Trib1/2をKOした時にIL-3非依存的増殖や白血病発症の抑制が見られるかを検討している.
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Research Products
(5 results)