2011 Fiscal Year Research-status Report
マラリア原虫生殖母体の成熟を制御する転写因子の研究
Project/Area Number |
23790458
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
金子 伊澄 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20515720)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | マラリア |
Research Abstract |
マラリア原虫雌雄成熟ガメトサイト(生殖母体)は、ヒトから媒介蚊への伝播を担う唯一のステージであり、その成熟過程で発現されるタンパク質は薬剤開発や伝播阻止戦略の重要な標的である。しかしながら血液中でマラリア原虫ガメトサイトが如何にして感染性の雌雄ガメトサイトへと成熟していくのか、その機構はこれまで全くわかっていなかった。申請者はネズミマラリア原虫Plasmodium bergheiガメトサイトにおいて、AP2 family転写因子であるAP2-G1(APETALA2 in gametocyte 1)およびAP2-G2(APETALA2 in gametocyte 2)がこの成熟過程を制御していることを見出した。すなわちAP2-G1は雌雄ガメトサイトの遺伝子群を、AP2-G2は雌ガメトサイトの遺伝子群を特異的に制御して雌雄それぞれのガメトサイトに成熟させている。さらに雄ガメトサイトにおいても、雄特異的なクロマチンリモデリング複合体SWI/SNF (mating-type swiching / sucrose non-fermenting) complexのsubunitが成熟制御に関与していることを見い出した。AP2-G1およびAP2-G2について、クロマチン免疫沈降法(ChIP)により得られたAP2-G1およびG2結合配列に関してChIP-seq法を行い全標的遺伝子を同定し、cis配列の予測を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ChIP-seq (chromatin immunoprecipitaion-sequencing)法等行い計画した実験についておおむね順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
ひき続きAP2-G1およびAP2-G2のChIP-seq法による解析およびcis配列解析等を行う。さらに、予測した各転写因子cis配列についてゲルシフトアッセイおよびレポーターアッセイを行いcis-acting elementとしての証明を行う。さらに各因子間の相互作用をFRETにより解析し、構築したモデルの妥当性の検証を行う。さらに各標的遺伝子について遺伝子欠損原虫を用いた機能解析およびGFP融合タンパク質発現原虫を用いた発現解析を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
遺伝子解析用試薬、通常試薬、実験動物・飼料、プラスチック器具などの実験に必要な物品の購入、また再現性確認のためにChIP-seq法を行う。
|
Research Products
(3 results)