2012 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア原虫生殖母体の成熟を制御する転写因子の研究
Project/Area Number |
23790458
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
金子 伊澄 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20515720)
|
Keywords | マラリア原虫 / 転写因子 |
Research Abstract |
マラリア原虫雌雄成熟ガメトサイト(生殖母体)は、ヒトから媒介蚊への伝播を担う唯一のステージであり、その成熟過程で発現されるタンパク質は薬剤開発や伝播阻止戦略の重要な標的である。しかしながら血液中でマラリア原虫ガメトサイトが如何にして感染性の雌雄ガメトサイトへと成熟していくのか、その機構はこれまで全くわかっていなかった。申請者はネズミマラリア原虫Plasmodium bergheiガメトサイトにおいて、AP2 family転写因子であるAP2-G1(APETALA2 in gametocyte 1)およびAP2-G2(APETALA2 in gametocyte 2)がこの成熟過程を制御していることを見出した。さらに雄ガメトサイトにおいても、雄特異的なクロマチンリモデリング複合体SWI/SNF (mating-type swiching / sucrose non-fermenting) complexのsubunitが成熟制御に関与していることを見い出した。AP2-G1およびAP2-G2について、ChIP-seq(chromatin immunoprecipitation and sequencing)を行い、各転写因子の全標的遺伝子を同定した。そして、それら遺伝子のガメトサイト期における発現・機能解析を行った。また人工染色体を用いたレポーターアッセイを行い各転写因子のシス配列を同定した。本研究による成果は、ヒトから媒介蚊へのマラリア伝播阻止戦略のための強力な情報を提供するとともに、ライフサイクルを通したマラリア原虫遺伝子発現制御機構解明へ大きく貢献するものである。
|
Research Products
(2 results)