2011 Fiscal Year Research-status Report
独自の組換えウイルス作製法を駆使した、単純ヘルペスウイルス病原性機構の解析
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23790511
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
田中 道子 国立感染症研究所, 感染病理部, 主任研究官 (10356248)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | HSV / 大腸菌 / 組換えウイルス |
Research Abstract |
申請者がこれまでに確立してきた様々な大腸菌内での組換えウイルスゲノム改変法の更なる改良、迅速性、簡便性を追求する。その系を利用し、現在までにHSV病原性との関与が示唆されながらもその機能が解明されていないHSV因子の解析を行う。更に、HSVウイルス因子の単独発現系も組み合わせ、ウイルス側からのみでなく、宿主側からもHSV病原性に関与する因子の解析を行う。この系に関しても、申請者の改変系を利用し、目的HSV因子にtagを付加したウイルスを作製し、感染細胞でのMASS解析法の確立も試みる。申請者の独自の組換え系を駆使し、ウイルス因子欠損変異体のみでなく点変異等を導入した変異体の作製等も行い、解析の幅を広げる事で効率よくHSV病原性解明により近づけると確信している。以上のような研究の流れで、様々なHSV因子に関して、vitroからその病原性の検討までを試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者は、独自の大腸菌内ウイルスゲノム改変法を駆使し、これまでに、HSV遺伝子にあらゆる変異導入を可能にしてきた。更に、単なる変異のみでなく、目的HSV遺伝子への蛍光蛋白質の付加や、感染細胞でのMASS解析を可能にするべく、MEFtagを付加する系の確立を試みてきた。現在までに、いくつかのHSV遺伝子へのこれらの付加に成功し、変異ウイルスを作成中である。今後、これらの変異体を用いて様々な解析を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに作製しているいくつかの変異HSVの解析を進める。具体的には、よく知られているようでその機能解析の遅れているtegument蛋白質を中心に、網羅的なHSV病原性因子の解析を続行する予定である。これまでに行ってきた培養細胞での増殖能等に留まらず、新たな解析法にも挑戦していく予定である。更に、vivoでのウイルスの広がりや組織への影響も、病理標本を作製し解析していく。又、HSV目的因子へのMEF付加にも成功しているので、この変異体の感染細胞におけるMASS解析も行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
MEFウイルスを用いたMASS解析や、これから取り入れて移行と考えている新しいアプローチ、具体的には、マイクロアレイ、2次元電気泳動や、最新のBimolecular Fluorescence Complementation (BiFC) 法も利用して解析を進める予定であるので、これらに重点的に研究費を費やす予定である。
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