2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内適応変異導入によるJFHー1株以外の新規C型肝炎ウイルス感染増殖系の樹立
Project/Area Number |
23790513
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
村山 麻子 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 協力研究員 (40415534)
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Keywords | C型肝炎ウイルス |
Research Abstract |
本研究ではJFH-1株以外のウイルス株を用いたHCV感染増殖系の樹立を目的としている。本年度は昨年度に樹立した遺伝子型2aのJ6株を用いた感染増殖系において必要な変異の解析を行った。 遺伝子型2aのJ6株は、培養細胞では自律複製できないが、NS3ヘリカーゼ領域(N3H)とNS5B-3’X領域(N5BX)をJFH-1株に置換するとウイルス産生が可能であった(Murayama et al., JVI 2007)。さらに、N5BXのJFH-1株への置換は、NS5B領域内の3つのアミノ酸置換と、3’UTR内の塩基置換で代用できることを示した(Murayama et al., PLoS Pathog 2010)。昨年度はJ6株を培養細胞で複製可能にする変異を同定することを目的とし、J6CF株の5B領域の一部をJFH-1株と置換したJ6/5BSLX-JFH1のRNAを導入した細胞を継代培養し、感染性ウイルスを得た。ウイルスゲノムのシークエンス解析により、NS4A領域の変異が同定され、この変異を含めた5カ所の変異を導入したJ6m株は培養細胞で複製できた。本年度は、昨年度に同定したNS4Aの変異の機能について解析した。タグ付加したNS4Aを用いてNS4Aの変異が局在に及ぼす影響を解析したが、NS4Aの局在自体に変化はなかった。そこでmKGシステムを用いてNS3-NS4A間の相互作用へのNS4Aの変異の影響を観察した。その結果、J6株ではNS3-NS4A間の共局在が見られないが、NS4Aの変異により共局在がみられることから、この変異はNS3-NS4A間の相互作用を強め、複製が可能となることが示唆された。 初年度に樹立したMA株に続き、J6株を用いた感染増殖系が樹立できたことにより、HCVの生活環における遺伝子型またはウイルス株による差異や、薬剤感受性の違いについての比較検討が可能となった。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Involvement of Hepatitis C Virus NS5A Hyperphosphorylation Mediated by Casein Kinase I-α in Infectious Virus Production2014
Author(s)
Masaki T, Matsunaga S, Takahashi H, Nakashima K, Kimura Y, Ito M, Matsuda M, Murayama A,Kato T, Hirano H, Endo Y, Lemon SM, Wakita T, Sawasaki T, Suzuki T
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Journal Title
Journal of Virology
Volume: in press
Pages: in press
Peer Reviewed
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