2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規TLR応答抑制分子におけるTLR制御機構および生理的意義の解明
Project/Area Number |
23790526
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴田 琢磨 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (30554505)
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Keywords | 自然免疫 / TLR |
Research Abstract |
病原体認識レセプターであるToll Like Receptor (TLR) ファミリーは免疫細胞に高発現し、様々な免疫応答を惹起することで生体防御に必須の役割を果す。一方、TLRの過剰応答は自己免疫疾患の発症につながる。この為、TLR応答の厳密な制御は恒常性維持において必須であり、様々なTLR会合分子がTLR応答制御に関与する。我々は、新規に同定したTLR2会合分子であるEmp3のトランスジェニック(Tg)およびノックアウト(KO)マウスを作製し、同マウスの解析を網羅的に行った。 in vitroの実験系において、Emp3のノックダウンは複数のTLRによる免疫応答を顕著に増長したが、Emp3のTgおよびKO由来の骨髄マクロファージおよび樹状細胞では、TLRリガンドに対する免疫応答(サイトカイン産生、CD40やCD86の細胞表面発現上昇)に優位な変化は認められなかった。以上の結果より、TLR会合分子であるEmp3はTLRによる免疫応答の制御に直接的には関与しないことが判明した。 一方、全身性にEmp3を発現するEmp3 Tg/CAG-Creは23週齢までに100%が死亡し、その多くで拡張型心筋症様の症状を発症した。また一部個体では小腸炎の発症も認められた。しかしながら、CAG-Cre遺伝子を除いた全身性にEmp3を発現するEmp3 Tgマウスでは拡張型心筋症や小腸炎は全く発症しなかった。CAG-Creマウスが高率かつ無症候性に突然死することを考慮すると、Cre遺伝子の強制発現により誘導された何らかの異常をEmp3が増長した結果として拡張型心筋症などが発症したと考えられる。今後、CAG-Creマウスで誘導されていると予測されるERストレスなどがEmp3の発現変化でどのように影響されるのかを検討する必要がある。
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[Journal Article] PRAT4A-dependent expression of cell surface TLR5 on neutrophils, classical monocytes and dendritic cells.2012
Author(s)
Shibata T, Takemura N, Motoi Y, Goto Y,Karuppuchamy T, Izawa K, Li X,Akashi-Takamura S, Tanimura N, Kunisawa J,Kiyono H, Akira S, Kitamura T, Kitaura J, Uematsu S, Miyake K.
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Journal Title
International Immunology
Volume: 24巻,10号
Pages: 613-23
DOI
Peer Reviewed
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