2011 Fiscal Year Research-status Report
B細胞膜型分子CD72を介した自己免疫制御機構の解明
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23790531
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
渡辺 幸造 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (20376718)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | Bリンパ球 |
Research Abstract |
主にBリンパ球(B細胞)に発現する膜型タンパクCD72の精製組換えタンパクを用いてCD72糖鎖リガンドの網羅的な探索を糖鎖アレイで行った。探索の結果得られたリガンド候補についてCD72と相互作用するかどうかを、CD72タンパクと糖鎖リガンドを用いたレクチンELISAで調べることで相互作用の解析を行った。またCD72とCD72リガンドの相互作用がB細胞抗原受容体シグナルにどのような影響を与えるか調べるため、ほとんど全てのB細胞がニトロフェニル基(NP)に反応性のQM (quasi-monoclonal)マウスとQM/CD72ノックアウトマウス由来のプライマリーB細胞を用いて、NP架橋したCD72リガンドとNP架橋した非CD72リガンドでB細胞抗原受容体刺激を加えた場合の細胞内カルシウム濃度を解析した。 その結果、CD72の発現依存的にCD72リガンドを含む特異的抗原に対する免疫応答が抑制されることが示唆された。この結果はB細胞表面上の膜タンパクが、そのリガンドに対するB細胞の活性化を抑制することでそのリガンドに対する抗体産生、免疫応答を抑制している可能性を示唆するものであり、まだ明らかになっていないB細胞による自己と非自己の新たな識別機構を示唆するものである。このような自己と非自己の識別機構の解明は、自己免疫疾患の発症機構の新たな理解につながるものであり、またB細胞表面上のタンパクが直接そのリガンドに対する抗体産生を抑制することで自己免疫応答への障壁として機能しているという概念の提起につながるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定の通りに進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、CD72リガンドを含む抗原と非CD72リガンドを含む抗原に対するB細胞の免疫応答について、プライマリーB細胞のB細胞抗原受容体シグナルの解析を行う。またCD72ノックアウトマウスと野生型マウスでCD72リガンドに対する抗体産生に差があるかどうかの解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
CD72リガンドを含む抗原と非CD72リガンドを含む抗原に対するB細胞の免疫応答について、プライマリーB細胞のB細胞抗原受容体シグナルの解析を行う。またCD72ノックアウトマウスと野生型マウスでCD72リガンドに対する抗体産生に差があるかどうかの解析を行うため、細胞培養用試薬類、細胞・細菌培養用器具類、マウス飼育費、抗体、染色試薬類、生化学実験用消耗品・試薬類、その他試薬・器具類等の消耗品を中心に研究費を使用する計画である。
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[Journal Article] The use of cationic nanogels to deliver proteins to myeloma cells and primary T lymphocytes that poorly express heparan sulfate.2011
Author(s)
Watanabe, K., Tsuchiya, Y., Kawaguchi, Y., Sawada, S., Ayame, H., Akiyoshi, K. and *Tsubata, T.
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Journal Title
Biomaterials
Volume: 32
Pages: 5900-5905
DOI
Peer Reviewed
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