2011 Fiscal Year Research-status Report
Tリンパ球におけるNotchシグナル制御性microRNAの検索とその機能解析
Project/Area Number |
23790538
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西田 純 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (00361981)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | Notch / miRNA / Tリンパ球 |
Research Abstract |
(1)-a. in vitro培養系を用いたmicroRNAの強制発現によるTリンパ球分化成熟への影響 : 我々はNotch誘導性microRNAであるmiR449aを発現するウイルスベクターを構築し、標的配列を持つルシフェラーゼレポーターを用いてその抑制活性を確認した。そのベクターから作製したウイルスを骨髄由来幹細胞へ感染させ、in vitro培養系を用い解析した。その結果、miR449aウイルス感染細胞と空ウイルス感染細胞の間でダブルポジティブTリンパ球およびCD4+Tリンパ球、CD8+Tリンパ球の分化に差は見られなかった。 (1)-b. マウス骨髄移植実験系を用いたmicroRNAのTリンパ球分化成熟への影響 : miR449aウイルスおよび空ウイルスを感染させた 骨髄由来幹細胞を放射線照射したマウスへ移植し、Tリンパ球の分化を解析した。その結果、miR449a感染脾臓細胞と空ウイルス感染脾臓細胞の間でTリンパ球とBリンパ球の割合やCD4+Tリンパ球およびCD8+Tリンパ球分化に差は見いだされなかった。胸腺においてはウイルス感染細胞がほとんど検出できず、胸腺におけるTリンパ球分化に対するmiR449aの働きは解析できていない。 (2)-a. microRNAノックアウト(KO)マウスの樹立 : 我々の研究室で樹立したmiR449a欠失ES細胞を用い、徳島大学総合研究支援センター動物資源研究部門にてアグリゲーション法によりキメラマウス作製を試みた。しかしながら、キメラマウスは得られなかった。コントロールとして遺伝子導入していないES細胞とアグリゲーションしたものやアグリゲーションしていない受精卵でも仔が生まれてこなかった事から、キメラマウス樹立の系が動いていない事が考えられる。現在、筑波大学生命科学動物資源センターへ委託してキメラマウス作製を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究を進める上で必要となるmicroRNA発現ウイルスベクターの構築は完了した。また、 in vitro培養系やマウス骨髄移植実験系など研究を推進するために必要な実験系も樹立できた。in vitro培養系 を用いたmicroRNAの強制発現によるTリンパ球分化成熟への影響については、現在のところCD4やCD8、CD44などTリンパ球細胞表面マーカーの表現型の違いは見つかっておらず、期待したような結果は得られていない。 マウス骨髄移植実験系を用いたmicroRNAのTリンパ球分化成熟についても、in vitro培養系と同様に Tリンパ球の表現型の違いは見つかっておらず、期待したような結果は得られていない。 microRNA KOマウスの樹立については、当大学施設で樹立予定であったものができず、外部委託となり予定より少し遅れて進んでいる。以上の事から 、計画した実験自体は当初の予定通り進められてはいるが、ポジティブな結果が得られていない事から達成度としてはやや遅れているという評価とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
in vitro培養系を用いたmicroRNAの強制発現によるTリンパ球分化成熟については、今後Tリンパ球のエフェクター機能への影響に注目し解析を行っていく。脾臓細胞からナイーブTリンパ球を調製し、microRNA発現ウイルスベクターを感染させる。それら細胞を種々のエフェクターTリンパ球分化条件下で培養し、そのサイトカイン産生などのエフェクター機能への影響を解析する。マウス骨髄移植実験系を用いたmicroRNAのTリンパ球分化成熟の解析もin vitro培養系と同様にエフェクター機能への影響に注目し解析を行う。 miR449a KOマウスについてはキメラマウスを樹立後、野生型マウス C57BL/6と交配しバッククロスを進めるとともにKOマウスを樹立する。それらマウスと野生型マウスについてTリンパ球の数や割合、その表現形やエフェクター機能等を比較し、Tリンパ球におけるmiR449aの機能を明らかにしていく。 野生型マウスまたはmiR449a KOマウスから調製したTリンパ球および、ウイルスベクター感染によりmiR449aを強制発現したTリンパ球を調製し、それら細胞抽出液を用い二次元電気泳動等のプロテオーム解析を行う。これらを比較する事によりNotchシグナルにより制御されるmiR449aのターゲット遺伝子を発見する事ができると考えられる。それらターゲット遺伝子をmiR449a KOマウス由来Tリンパ球に強制発現させることによりKOマウスで現れた表現型がレスキューされるか調べたり、siRNAによりその遺伝子をノックダウンした際にKOマウスで見られる表現型が現れるか解析する事により、実際にNotch誘導性microRNAが制御するターゲット遺伝子であるかを明らかとする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ウイルスベクター調製などの分子生物学的実験に用いる試薬や、細胞培養や造血系幹細胞調製、Tリンパ球分化実験に必須なサイトカインなどの細胞生物学的実験に用いる試薬を購入するために研究費を使用する。また、キメラマウスと交配させる野生型マウスなど研究を進めるにあたり必要となる実験動物購入にも研究費を使用する。 microRNAのターゲット遺伝子を網羅的に解析するにはプロテオーム解析が非常に有効な手段である。そのため、 次年度はプロテオーム解析を予定している。このプロテオーム解析は徳島大学医学部先端医療研究資源技術支援センターへの委託で行う事を計画しており、その委託料に研究費を使用する。 また、今年度使用を予定していた研究費の一部を来年度に繰り越す事にする。
|