2012 Fiscal Year Annual Research Report
M細胞欠損マウスを用いたM細胞の生体内における存在意義の解明
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23790550
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
金谷 高史 独立行政法人理化学研究所, 免疫系構築研究チーム, 研究員 (20553829)
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Keywords | M細胞 / パイエル板 / 腸管免疫 |
Research Abstract |
RANKL投与によるマウスでのM細胞誘導を活用し、etsファミリー転写因子の一つであるSpi-BがM細胞に高発現することを見出した。昨年度はSpi-B欠損マウスを用いてSpi-BのM細胞分化に及ぼす影響を解析した。Spi-B欠損マウスではパイエル板においてM細胞が完全に欠損することから、Spi-BがM細胞分化を制御するマスター転写因子であることが明らかになった。本年度はSpi-B欠損マウスをM細胞欠損モデル動物として、M細胞の生体内における存在意義に解明に取り組んだ。Spi-B欠損マウスのパイエル板では、経口感染させたネズミチフス菌(S. Typhimurium)およびYersinia enterocoliticaの取り込みが著しく減少した。この知見をもとにSpi-B欠損マウスにおけるS. Typhimuriumに対する免疫応答を解析したところ、野生型マウスと比較してS. Typhimurium特異的に活性化するT細胞の割合が大きく減少することが明らかとなった。Spi-BはBリンパ球や形質様樹状細胞にも発現することから、免疫応答の障害は、これらの細胞におけるSpi-B欠損によってもたらされる可能性が懸念される。そこで野生型の骨髄細胞をSpi-B欠損マウスに移植した骨髄キメラマウスを用いて、S. Typhimurium特異的T細胞の活性化やおよび糞中に含まれる抗S. Typhimurium IgA抗体を測定した。その結果、Spi-B欠損マウスにおいてこれらの免疫応答の低下が見られた。
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[Journal Article] The Ets transcription factor Spi-B is essential for the differentiation of intestinal microfold cells.2012
Author(s)
Kanaya T, Hase K, Takahashi D, Fukuda S, Hoshino K, Sasaki I, Hemmi H, Knoop KA, Kumar N, Sato M, Katsuno T, Yokosuka O, Toyooka K, Nakai K, Sakamoto A, Kitahara Y, Jinnohara T, McSorley SJ, Kaisho T, Williams IR, Ohno H.
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Journal Title
Nat Immunol.
Volume: 13(8)
Pages: 729-36
DOI
Peer Reviewed
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