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2011 Fiscal Year Research-status Report

因果連鎖オントロジーに基づく糖尿病の病態遷移予測に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23790561
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

今井 健  東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90401075)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywordsオントロジー / 糖尿病 / 病態遷移予測
Research Abstract

研究は糖尿病患者の状態を特定し、病態の進展・合併症の発症リスクを定量的に予測するモデルを開発するため、糖尿病関連領域の病態因果連鎖オントロジーの開発、そのオントロジーに基づく糖尿病病態遷移モデルの構築、同構築モデルの妥当性の検証、の3つを目的としている。本年度は以下のような研究を実施した。(1)ベースオントロジーの拡充項目の調査:本研究のベースとして既存の臨床医学オントロジーに関する成果(厚生労働省受託研究開発事業(H19-H21))を対象とし、患者診療データからの患者状態特定のために不足している病態概念の調査を行った。(2)記述フレームワークの構築とベースオントロジーの拡充:病態の因果連鎖を異なる記述粒度レイヤーで表現するフレームワークを構築し、(1)の結果と領域専門家の意見を元に、糖尿病の進行に伴う各種の病態、例えば慢性血管性/非血管性合併症(白内障、皮膚病変、腎症、網膜症、神経障害、脳血管障害などの記述をベースオントロジーに追加し、糖尿病病態因果連鎖オントロジーのα版を作成した。(3)患者観察項目セットに関する調査:各因果連鎖の促進/阻害因子として、病態遷移モデルを構築する際に用いる項目セットに関する調査を行った。(4)患者診療データマッピングのための用語集の整備:実際の患者診療情報に対して、検索・オントロジーへのマッピングを行うための基本用語集(病名,症状,検査項目,薬剤,各種略語等)を構築した。(5)患者診療データ規模に関する下調査:東大病院糖尿病代謝内科における退院サマリー文書の一部を対象とし、上記オントロジーへのマッピング可能性と必要なデータ規模に関する下調査を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究で目的とする糖尿病病態遷移モデル構築に必要な基盤である、糖尿病病態因果連鎖オントロジーの構築については順調に進展している。また患者観察項目セットに関する調査や、患者診療データを検索し病態因果連鎖オントロジーにマッピングするための用語集の整備も順調に進展した。一方で、東大病院糖尿病代謝内科における退院サマリーの下調査の結果、退院サマリーだけからでは患者の病態遷移ならびに定期的診療データの情報量が不足している可能性が高いことが判明した。また診療記録文書から患者の病態遷移情報を抽出する作業自体に予想より時間がかかることも判明し、その効率化も今後の課題である。

Strategy for Future Research Activity

本年度では、退院サマリーだけからでは患者の病態遷移ならびに定期的診療データの情報量が不足している可能性が高く、関連する外来経過観察記録を併用する必要がありそうであると判明したこと、ならびに診療記録文書から患者の病態遷移情報を抽出する作業自体に予想より時間がかかることが判明したことから、対象文書の選定と方法の再検討を行うため、予定していた患者診療情報から病態遷移オントロジーへのマッピング作業は次年度に行うこととした。今後は、退院サマリーのみならず関連する外来経過観察記録を分析対象に含める方針である。また診療記録文書からの患者の病態遷移情報抽出を効率化するため、本年度構築した用語集を用いて、自然言語処理による下処理と人手によるチェックを併用する方式を予定している。患者の病態遷移と定期的診療データが得られた後は、因果連鎖パス上で観測された病態ノードの間を時間的に平均的に移行したと仮定し、隠れマルコフモデルを用いて1ヶ月~数ヶ月単位での遷移確率を推定して糖尿病病態遷移モデルを開発する方針である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度では、患者診療情報と糖尿病病態因果連鎖オントロジーへのマッピング作業を行う。東大病院の糖尿病代謝内科における退院サマリーのみを対象とした場合、複数回の入退院を繰り返した(複数の退院サマリーが存在する)患者は全体の約14%程度しかなく、その中には外傷など糖尿病と関係ない再入院もあるため、糖尿病に関係する長期にわたる経時変化の情報を取得するのが難しい。そこで関連する外来経過観察情報を併用し、病態遷移と観察項目記録(BMI、血糖値、HbA1c、血圧、血清クレアチニン、尿蛋白、LDLコレステロール、ALTなど)の経時変化情報を収集する。進捗状況により病態遷移モデルを試験的に構築し、必要とされるデータ規模の推定を行う。

  • Research Products

    (4 results)

All 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] River Flow Model of Diseases2011

    • Author(s)
      Mizoguchi R, Kozaki K, Kou H, Yamagata Y, Imai T, Waki K, Ohe K
    • Journal Title

      Proc. of International Conference on Biomedical Ontology (ICBO)

      Volume: 2011 Pages: 63~70

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 疾患オントロジーにおけるバランス複合異常と汎用異常連鎖に関する考察2011

    • Author(s)
      山縣友紀, 国府裕子, 古崎晃司, 今井 健, 大江和彦, 溝口理一郎
    • Organizer
      人工知能学会 第25回全国大会
    • Place of Presentation
      いわて県民情報交流センター(岩手県盛岡市)
    • Year and Date
      2011.6.3
  • [Presentation] 臨床医学オントロジーにおける疾患連鎖モデルの考察2011

    • Author(s)
      古崎晃司, 国府裕子, 山縣友紀, 今井 健, 大江和彦, 溝口理一郎
    • Organizer
      第23回セマンティックウェブとオントロジー研究会 (人工知能学会 SIG-SWO)
    • Place of Presentation
      浜名湖かんざんじ荘(静岡県浜松市)
    • Year and Date
      2011.6.22
  • [Presentation] 我が国における臨床医学オントロジー研究開発の現状と今後の展望2011

    • Author(s)
      今井 健, 古崎晃司, 国府裕子, 山縣友紀, 溝口理一郎, 大江和彦.
    • Organizer
      第61回SLUD研究会・医療情報コミュニケーションシンポジウム (人工知能学会 SIG-SLUD-B003)(招待講演)
    • Place of Presentation
      東京大学大学院情報学環(東京都文京区)
    • Year and Date
      2011.10.2

URL: 

Published: 2013-07-10   Modified: 2013-08-28  

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