2013 Fiscal Year Annual Research Report
日本版高齢者終末期ケア認定介護士養成プログラムの開発
Project/Area Number |
23790563
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平川 仁尚 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (00378168)
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Keywords | 介護・福祉 / 社会人教育 / 多職種連携 / 高齢者介護施設 / 緩和ケア |
Research Abstract |
平成23年度に、高齢者の終末期ケアに関する教育ニーズを高齢者介護施設の教育担当者の視点から明らかにすることを目的に、秋田、茨城、愛知、兵庫、福岡の5県にある高齢者介護施設と認知症高齢者グループホーム全施設を対象にアンケート調査を実施した。その結果の分析のまとめを平成25年度に論文として投稿した(印刷中)が、スピリチュアルケアや点滴/輸液は教育ニーズが低く、認知症は教育ニーズが高いこと、経口摂取不良への対処法、医療処置、高齢者の緩和ケアの考え方、コミュニケーション、死後の処置、認知症の治療薬については介護老人保健施設や特別養護老人ホームで教育ニーズが高く、病院へ連絡・受診させるタイミングについては特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホームで教育ニーズが高いことが分かった。一方、平成23-24年度にかけて全国的に「日本版高齢者終末期ケア認定介護士養成プログラム」を実施したが、平成25年度はその効果の検証を行った。参加者227人中、226人からプレ、ポスト、6か月後のフォローアップアンケートの有効回答を得た。参加者は、本プログラム参加により終末期ケアに対して前向きな態度を身に付け、6か月後のフォローアップにおいてもその態度は維持されていた。また、参加者アンケートの自由記載の内容をKJ法を用いて解釈したところ、参加者同士が討論を通じて交流を深めたことで多様な価値観と論理的思考の重要性に気付き、自身の職場で終末期の問題に取り組んで行こうという前向きな態度がみられるようになったことが分かった。さらに、旭川市において、参加者を多職種に広げて同様の内容で本プログラムを実施したところ、61名の参加者を得た。その参加者アンケートの結果をKJ法を用いて解釈したところ、多職種の忌憚ない意見交換とロールプレイを通じた事例の教諭により、多職種間の理解が深まる可能性が示唆された。
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