2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23790576
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Research Institution | Tohoku University of Community Service and Science |
Principal Investigator |
鎌田 剛 東北公益文科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50438595)
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Keywords | 地域医療連携 / ナレッジマネジメント |
Research Abstract |
昨年度実施した中国介護企業の調査からは、地域医療連携には、ケアマネジメントのような地域的な協働システムと、それを運営するコーディネート機能が必須であることが分かった。そのような仕組みを構築し、地域に定着させるためには、地域の医療・介護従事者間の関係づくりが基盤となる。そこで今年度は、多職種の関係づくりを基盤として成功している日本の地域医療連携の先進事例を調査した。東京・神奈川の高齢者施設、宮崎県日南市、新潟市、富山県黒部市、大阪市等の医療・介護事業所、行政機関を訪問し、関係者へのインタビューを試みた。 その結果、上述した多職種連携網には、二つのレベルがあることがわかった。一つは、特定の疾患(たとえば脳卒中)に対応する連携網や、特定の職種(たとえば薬剤師)による研修活動ネットワークなどに代表される「目的別連携ネットワーク」である。もう一つは、その目的別連携ネットワークをつくり、育て、つなぐような振る舞いに特徴のある「支援型ネットワーク」である。 「目的別連携ネットワーク」は、小地域の実務者同士によるface to faceの対話または実践の場であることが多く、「支援型ネットワーク」は、より広域の担当者同士によるface to faceまたはIT(ポータルサイトやSNS)を介した対話の場であることが多い。 先進地における連携の仕組みは、上述のような2つのレベルのネットワークと、そこでの対話の場を通じて形成される人間関係を基盤としていることが分かった。これらの特徴の有無や程度は、地域医療連携の成熟度を測る指標として用いることが可能である。
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Research Products
(1 results)