2013 Fiscal Year Annual Research Report
メディアドクターの取り組みによる医療情報メディアの質向上に向けた研究
Project/Area Number |
23790591
|
Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
渡邊 清高 独立行政法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 室長 (80422301)
|
Keywords | メディアドクター / 医療情報 / リテラシー / 研究成果の発信 / マスメディア |
Research Abstract |
医療報道記事を題材に、評価指標の設定と評価手順について妥当性、報道および医療関係者の間に認識について明らかにしながら、医療報道の質向上に資する評価手法を確立した。前年度までに実施した評価者間の一致性と評価軸の妥当性の検証に基づき、以下の結果を得た。 ・評価方法および評価基準の改訂と妥当性評価 利用可能性、新規性、代替性、あおり・病気づくり、科学的根拠、効果の定量化、弊害、コスト、情報源、ヘッドラインの適切性、背景説明の評価軸を新たな評価手法の改訂版として作成した。満足/不満の基準とともに、評価ツールを作成し、この研究班が連携しているメディアドクター研究班の定例会で9回の参加のべ290名を対象に評価作業を行った。評価者間の一致度はFleiss’ Kappa統計量で評価したところ「弊害(副作用や合併症)」「ヘッドラインの適切性」での一致が見られた。一方で「エビデンスの質」「効果の定量化」「あおり・病気づくり」など評価基準の解釈のさらなる修正が必要なものも認められた。評価指標としての妥当性を担保するためには、対象記事の選定基準や、指標の各項目の評価基準を、より明確にする必要があると考えられた。 本研究では主に新規薬剤や治療機器に関する記事を評価対象としたが、社会保障制度や東日本大震災後の健康報道などの社会的な影響の大きい報道のよりよいあり方を検討するためのガイドラインや、評価結果の公開に向けて、標準的な評価手法の確立を目指し、評価基準については判断の目安を提示するなど、妥当性を高める検討を行うことが必要と考えられた。
|