2011 Fiscal Year Research-status Report
胸腹部大動脈瘤患者における血液凝固線溶異常の原因およびその意義
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23790618
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
林 朋恵 金沢大学, 大学病院, 医員 (10377393)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 胸腹部大動脈瘤 / 血液凝固異常 / 瘤内血栓 |
Research Abstract |
本年度は、金沢大学附属病院心臓血管外科、大竹裕志先生の協力のもと、同先生外来通院中の胸腹部大動脈瘤患者(未治療患者、治療後患者を含む)をリストアップし、本研究への同意を確認の上、随時採血、検体保存を行った。並行して、画像学的検査については臨床側で必要と判断された間隔で施行されたCT所見の確認を行い、血液検査結果と合わせて瘤内部の血栓の正常、瘤径、瘤増大率を確認する方針とした。現在16人の患者につき前向きに経過観察中である。経過観察中の患者の中には治療後の患者も含まれており、特にステントグラフト内挿術後の患者については、術後も凝固異常が遷延する症例もあり、凝固異常の有無とステントグラフト内挿による治療経過、特にエンドリークの有無等について観察項目を追加し、あわせて経過観察している。また、治療後の症例であっても、未治療部位の血管があればその状況について前向きに経過観察する方針とした。未だ登録症例数も少なく、外来における通院間隔が3~6か月毎であることが多いため、十分な解析に足るデータが欠如しており、確固たる結果を出すにはいたらない。今後さらに観察期間を延長しデータを収集するとともに、登録症例のさらなる収集を行う予定である。凝血学的検査については、当院臨床検査科(血液検査)との共同研究として保存検体の数が一定数に達した上で、各種凝固検査につき一括測定を行っている。なお、臨床上の必要性より外来診療にてすでに凝血学的検査が施行されているものについては、本研究のデータとして利用させていただく旨、了承いただいている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在経過を追えている症例数は16症例にとどまり、未だ目標症例数の50例には及ばない。また、外来の通院間隔が3~6か月の症例が多く、研究開始から現在までの期間のみでは単一症例でのデータの蓄積が不十分な状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
さらなる登録症例数の追加を行い、また継続して経過観察を行うことで、解析に足るデータの蓄積を予定している。また十分な量のデータが集まった時点で、画像データと凝血学的データとの照らし合わせを行い、瘤形態の変化と凝固異常の推移について解析を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は、各種凝血マーカー測定キット購入および、画像診断および助言に対する謝礼、論文作成における添削費用に使用する予定である。
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