2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23790623
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
浦浜 憲永 神戸大学, 保健学研究科, 研究員 (40403208)
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Keywords | メディエーター転写複合体 / MED1 / GATA1 / 赤芽球分化 / K562 / CCAR1 / CoCoA |
Research Abstract |
RNAポリメラーゼIIホロ酵素複合体を構成する基本的コファクター複合体メディエーターは、転写開始時に前イニシエーション複合体の構成を誘導し全転写に必須である一方で、そのサブユニット構造により特異性を併せ持つ。MED1サブユニットは核内受容体やGATA1の特異的コアクチベーターとして、細胞の増殖・分化・恒常性維持に重要な役割を持つ。 私はこれまでに、MED1がレチノイン酸受容体を介する好中球分化やビタミンD受容体を介する単球分化を誘導することを証明した。同様に、GATA1誘導性の赤芽球分化にMED1がいかに関与するかを検討した。 前年度までに、GATA1とMED1が直接結合する他に、これらを物理的にバイパスする経路の存在を予測し、エストロゲン受容体のバイパスとして知られるCCAR1とCoCoAがこれを担う可能性を指摘した。今年度は、実際にCCAR1やCoCoAが赤芽球分化に従ってGATA1標的遺伝子の発現を担うのかを分子細胞生物学的に検討した。K562赤芽球性白血病細胞をモデルに用い、分化を誘導した際にγグロビンプロモーターに転写因子がリクルートされる様式をChIPアッセイを用いて経時的に検討したところ、1日以内にはGATA1の増加はなくとも12時間以後にCCAR1やCoCoA、MED1のリクルートが増加した。2日目以後にはGATA1の占有が増加し、それに伴って他のコファクターの占有がさらに増加した。GATA1をノックダウンして同様の実験を行うと、上記コファクターの占有は著明に減少した。以上のことより、CCAR1やCoCoAおよびMED1はGATA1をプラットフォームとしてGATA1標的遺伝子プロモーターにリクルートされること、これらが転写活性化に実際に寄与することおよびそのメカニズムが明らかになった。
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[Journal Article] CCAR1/CoCoA pair-mediated recruitment of the Mediator defines a novel pathway for GATA1 function.2014
Author(s)
Mizuta S, Minami T, Fujita H, Kaminaga C, Matsui K, Ishino R, Fujita A, Oda K, Kawai A, Hasegawa N, Urahama N, Roeder RG, Ito M
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Journal Title
Genes Cells
Volume: 19
Pages: 28-51
DOI
Peer Reviewed
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