2012 Fiscal Year Annual Research Report
TTP患者における抗ADAMTS13自己抗体高感度定量測定系の開発
Project/Area Number |
23790629
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
猪狩 敦子 慶應義塾大学, 医学部, 研究員 (60594893)
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Keywords | ADAMTS13 / 自己抗体 / 高感度定量測定 |
Research Abstract |
ADAMTS13は血液中の止血因子の一つであるvon Willebrand因子を特異的に切断する酵素であり、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の発症と強く関連する。本症はADAMTS13遺伝子異常により発症する先天性TTPとADAMTS13に対する自己抗体が産生され、本酵素活性が低下し発症する後天性TTPがあり、95%以上は後天性である。本研究の目的は後天性TTPの診断、治療方針、予後予測の判断材料となるべく、血液中の抗ADAMTS13自己抗体を高感度に定量測定できるRIA法による測定系の確立である。 23年度は本測定系に必要不可欠なADAMTS13の各ドメインを含むラジオアイソトープ(RI)標識抗原を作製した。さらに作製したRI標識抗原をADAMTS13モノクローナル抗体と免疫沈降反応させ、プロテインGビーズにより回収し液体シンチレーションカウンターにて測定したところ免疫複合体を回収することができた。 24年度は本測定系の感度をさらに向上させるためにRI標識抗原の添加量、RIA法における各洗浄操作、ブロッキングの条件検討を行った。次にエピトープが判明している数種類のADAMTS13モノクローナル抗体の添加濃度を細かく段階希釈し、作製したRI標識抗原と免疫沈降させたところ、抗体濃度依存的に免疫複合体を回収する結果が得られた。そこで本測定系を用いて健常人血漿由来精製IgGサンプルと後天性TTP患者血漿由来精製IgGサンプル(n=12)をMDTCS領域とTSP1-repeats/CUB領域を含むRI標識抗原と免疫沈降し、トリプル測定にて免疫複合体を回収したところ、後天性TTP患者の値は健常人コントロールより高い抗体価を示す結果が得られた。このことより、本測定系を用いて後天性TTP患者血漿中の抗ADAMTS13自己抗体を高感度に定量測定できる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)