2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23790631
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
桧貝 孝慈 東邦大学, 薬学部, 准教授 (70297711)
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Keywords | シアル酸 / 細胞傷害 / レクチン受容体 |
Research Abstract |
平成23年度に作製した糖鎖改変K562細胞に対して、NK細胞による細胞傷害活性を測定した。その結果、hST6Gal Iを高発現させたK562/pEB-Multi/hST6GalI細胞に対する細胞傷害活性は、K562/wildと比較して約75%にまで低下した。同様に、hSulf-1を高発現させたK562/pIRES/hSulf-1細胞に対する細胞傷害活性は、弱いながらも約85%程度に低下が認められた。このことは、細胞表面のalpha2,3-シアル酸やヘパラン硫酸発現により細胞傷害が制御されていることを示唆している。一方、細胞傷害を引き起こすエフェクター細胞における、可溶性の糖鎖によるKHYG細胞内DAP10やDAP12, CD3zetaのリン酸化は認められなかった。また、heparin-BSAを固相化したプレートによる刺激でもリン酸化の増加は認められなかった。このことは、標的細胞上の糖鎖だけではなく他の分子との相互作用によりNK細胞の活性が認められていることを示唆するものである。 一方で、これら受容体の糖脂質糖鎖に対する結合を糖脂質アレイを用いた結合実験により解析した結果、CD94, NKG2D, NCR1, NCR3の結合は認められなかった。しかしながら、NCR2が一部の糖脂質に対して弱いながらも結合が認められたことから、新規リガンドの可能性が示唆された。 これらの解析から、標的細胞の糖鎖がNK細胞に認識されることが明らかとなったが、細胞傷害活性を示すためには異なる分子との細胞間相互作用が必要であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)