2012 Fiscal Year Annual Research Report
高凝固性マイクロパーティクルによる癌における血栓塞栓症発症メカニズムの解明
Project/Area Number |
23790633
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Research Institution | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター |
Principal Investigator |
伊藤 慎 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (00460139)
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Keywords | マイクロパーティクル |
Research Abstract |
平成23年度の研究において、他の癌細胞と比較して卵巣ガン胞癌細胞株においてfVIIの発現が高い事を明らかにした(2012年度癌学会で発表)。平成24年度では、まず各種卵巣癌細胞株間でのMPsの放出量についてProtein assayにより検討を行った。過去に報告がある乳癌細胞株MDA-MB-231やGliomaであるU-87などと比較して卵巣がん細胞株において、顕著にMPsの放出量が多いことが明らかになった。更に、マウス線維芽細胞株NIH3T3細胞にMPsを添加し、卵巣癌の高凝固能の性質がMPsにより形質転換されるのか検討を行った。卵巣明細胞癌細胞株OVISE由来のMPsをNIH3T3に添加し、fXa generation assayによりNIH3T3での血液凝固能の検討を行ったところ、血液凝固能を獲得することが明らかになった。更に、抗TF抗体を用いる実験により、TF/fVIIにより駆動される細胞内カスケードを阻害する抗体(10H10)では阻害されなかったが、fXの活性化を阻害する抗体(5G9)及びfVIIを阻害する抗体(6B4/9C3)では阻害が確認された。以上のことから、卵巣がん明細胞株OVISEのMPs由来の血液凝固能が線維芽細胞株NIH3T3に形質転換されていることが明らかになった。次に、この形質転換の持続時間についてMPsの構成成分であるTFを指標としてWestern blotで検討を行った。44時間後でもTFの発現が確認された。更に、この確認されたTFの発現はマウス由来ではないことをRT-PCRにより明らかにしたことから、一度形質転換されたMPsは長時間維持されていることが示唆された。本研究から、Targetの細胞で長期間にわたりMPsが形質転換していることを新規に明らかとした。本研究結果は、第72回日本癌学会にて発表予定である。
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Research Products
(1 results)