2012 Fiscal Year Research-status Report
慢性神経因性疼痛におけるPPARgammaシグナルの役割
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23790649
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
長谷川 麻衣子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (20516637)
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Keywords | マクロファージ / 疼痛 |
Research Abstract |
慢性痛モデルマウスを作成し、PPARγアゴニストrosiglitazoneの鎮痛効果とマクロファージのM1/M2極性バランスを検討した。(1)術直後にrosiglitazoneを局所投与することにより、疼痛閾値を上昇させた。熱逃避行動は手術48時間後の潜時が延長し、機械的刺激に対する50%閾値は手術6時間後から72時間後にわたって上昇した。(2)手術部位ではrosiglitazone投与により炎症細胞の浸潤が減少し、浮腫が抑制された。(3)Rosiglitazone投与群では手術部位のマクロファージの極性はM2優位であった。炎症部位のF4/80+総マクロファージ数はrosiglitazoneにより減少し、F4/80+ iNOS+ M1型の減少とF4/80+ CD206+ M2型の増加が確認された。4)手術部位にrosiglitazoneで処理した腹腔マクロファージを移植したところ、手術24時間後の機械的刺激に対する50%閾値が上昇し、熱逃避行動の潜時が延長した。5)rosiglitazoneによりheme oxygenase-1の発現が増加した。heme oxygenase-1はwound healingを促進し、抗炎症作用を有することが報告されており、heme oxygenase-1の誘導がrosiglitazoneによる鎮痛作用を介していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マクロファージのM1/M2バランスを検討し、rosiglitazoneの抗炎症作用と鎮痛に関与する直接因子を同定することが今年度の目標であったため、おおむね達成できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
レプチン受容体欠損マウス(db/db)を用いて、マクロファージ極性制御の方法を探索する。 leptinはM1マクロファージから産生され、NF-kBの活性化を助長することが分かっている。そこで、レプチン受容体欠損マウスを用いて、PPARγアゴニストの作用がleptinシグナルの抑制を介するのかを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
db/dbマウスの購入、免疫組織染色、real-time PCR、細胞培養に関する消耗品を購入する。
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Research Products
(2 results)