2011 Fiscal Year Research-status Report
ヒトES細胞を用いた毒性試験系に有効なモデル細胞の構築
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23790657
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山根 順子 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任研究員 (10433278)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 多能性幹細胞 / 毒性試験 |
Research Abstract |
本研究の目的はヒトの神経毒性試験に利用可能なモデル細胞の構築である。神経細胞の分化や発達過程における化学物質曝露による影響を見る上で、影響の検出が容易なマーカーが導入されていること、また、分化段階の均一な細胞集団を得ることは重要であり、そのようなヒト多能性幹細胞の創出は発達神経毒性影響を見る上で有効なツールとなりうる。そこでヒト多能性幹細胞、及びマウス多能性幹細胞に導入する神経分化マーカーとして、神経細胞マーカーであるMAP2、ドーパミン産生ニューロンの終末分化マーカーであるTHを選択し、各遺伝子のプロモーター領域にEGFPやLuciferaseをつないだプラスミドの作成を行った。 今回は、遺伝子導入を行うヒト多能性幹細胞としてはKhES-3株、マウス多能性幹細胞としてはB6N22UTR株を使用した。これら多能性幹細胞に対し、プラスミドの遺伝子導入をリポフェクション法を用いて行った。遺伝子導入に用いるリポフェクション法の試薬についても数種類検討した。遺伝子導入後、抗生物質によるセレクションを行い耐性株をいくつか獲得した。 獲得した耐性株はまだ未分化な状態であるのでEGFPやLuciferaseの発現が見られないが、その耐性株から神経系への分化培養を行った際に発現が確認されるかを検討した。分化培養系としては、胚様体(EB)形成を行った後に神経誘導培地に切り替え接着培養を行った。いくつかのプラスミド導入株を検討したが、現段階では毒性試験系に利用できるレベルのモデル細胞の構築には至っておらず、プラスミドの改変や遺伝子導入法の検討が必要な状態である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで遺伝子導入に用いるプラスミドをいくつか作成し、また、遺伝子導入についてもいくつかリポフェクション試薬を検討するなど試行錯誤してきたが、現時点では目的の細胞株樹立までに至っておらず、やや遅れているという自己評価に至る。ただし、コンストラクションで作成したプラスミドをもう少し改良し、遺伝子導入方法を別の方法に切り替える等まだ検討の余地はあり、さらにヒト多能性幹細胞、マウス多能性幹細胞における細胞株樹立の手技的な問題は克服できていることから、今後研究目的の達成に近づけるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで作成し、遺伝子導入を行ってきたプラスミドについては、用いている分化マーカーのプロモーター領域が適切であるか(更に効果的なプロモーター領域は存在しないか)など、改良する必要があると考えている。また、導入する分化マーカーについても、これまで検討を行って来たMAP2やTH以外にも、他の神経分化マーカーを検討する必要もある。つまり、プラスミドの改良をまず行って行きたいと考えている。更には、遺伝子導入方法の検討も行う必要があり、それについてはこれまでのリポフェクション法とは別に、ウイルスベクターによる遺伝子導入法も取り入れて検討を進めていきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これまでと同様、ヒト多能性幹細胞、マウス多能性幹細胞の維持培養、神経系への分化培養に伴う消耗品として研究費の使用が必要であり、また、次年度ではプラスミド改良を伴うベクターの検討も含め、新たな試薬等消耗品の必要が発生する。 また、現在ヒト多能性幹細胞からの神経分化培養系の時間的短縮についての検討も始めており、より発達神経毒性試験系を安定して行うことを可能にする方法の確立も目指しており、次年度は更なる発展を遂げるために研究費使用を計画している。そして、これらの結果をなるべく早期にまとめ、発表する機会も次年度は設けて行きたいと考えている。
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Research Products
(4 results)