2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトES細胞を用いた毒性試験系に有効なモデル細胞の構築
Project/Area Number |
23790657
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山根 順子 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (10433278)
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Keywords | 多能性幹細胞 / 毒性試験 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヒトの神経毒性試験に利用可能なモデル細胞の構築である。神経細胞の分化や発達過程における化学物質曝露による影響を見る上で、影響の検出が容易なマーカーが導入されていること、また、分化段階の均一な細胞集団を得ることは重要であり、そのようなヒト多能性幹細胞の創出は発達神経毒性影響を見る上で有効なツールとなりうる。そこで、ヒト多能性幹細胞に導入する神経分化マーカーとして、神経細胞マーカーであるMAP2を選択し、プロモーター領域にEGFPやルシフェラーゼ遺伝子をつないだプラスミド作成を行った。昨年度は遺伝子導入を行うヒト多能性幹細胞としてKhES-3株を使用し、導入方法はリポフェクション法を用いたが、非常に導入効率が悪く、遺伝子導入後の薬剤耐性株は取得出来たものの、本研究の目的としている、毒性試験に使用可能なレベルの発現をモニターできる細胞株の取得には至らなかった。そこで最終年度には、遺伝子導入を行う細胞株、培養条件の見直しを行うべく検討を重ねた。初年度にはヒトES細胞のKhES-3株のみ使用していたが、さらにヒト多能性幹細胞として、ES細胞だけに限定せず、ヒトiPS細胞株の201B-7,253G-1,454C-2株を追加し、さらに組み込む遺伝子についてもプロモーター領域を前年度とは領域を変更してプラスミド構築を試みた。また、使用する細胞株における遺伝子導入細胞株樹立効率が異なることが予想されたため、各細胞株における遺伝子発現レベルの差異を単細胞レベルで比較した。その結果、同じ細胞株間でも個々の細胞レベルで発現の違いが観察され、目的の遺伝子導入細胞を得る上での技術的な困難を導いていることがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Effects of methylmercury exposure on neuronal differentiation of mouse and human embryonic stem cells2012
Author(s)
He, X., Imanishi, S., Sone, H., Nagano, R., Qin, X-Y., Yoshinaga, J., Akanuma, H., Yamane, J., Fujibuchi, W., Ohsako, S.
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Journal Title
Toxicology Letters
Volume: 212
Pages: 1-10
DOI
Peer Reviewed
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