2011 Fiscal Year Research-status Report
水生生物に対する化学物質のイオンチャネルに対する複合影響評価
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23790677
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
清水 宏泰 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (60340551)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 水生動物 / 環境毒性 / バイオアッセイ / イオンチャネル / メダカ |
Research Abstract |
1.メダカのエラ細胞を用いてパッチクランプを行っている。データー、シーリング率において細胞間のばらつきが多く細胞分離時のトリプシンとセルソーターによる細胞障害が原因であると考えられる。今までは分離後すぐに使用したが、現在、分離した細胞をいったん培養し、パッチクランプに用いている。細胞培養の条件に関して最適なものを選んでいる。細胞の状態を安定させ、バイオアッセイとして誰もが使用可能な実験系に持ち込むのが目的である。2.遺伝子破壊メダカも用いているが、ジェノタイピングは基本的にシーケンスによるものなのでコストがかかる。High Resolution Melting(HRM)を用いた効率的で安価なスクリーニングの方法を開発中であるが、偽陽性が多い。これはHRM時のPCRの機械の使用だけの手技ではなく、サンプルDNAの量、DNAの純度、バッファーの種類、保管の仕方、ロボットを使用すること等の非常に繊細なバランスで実験系を組み立ててゆくことが必要であることが分かった。現在試行中である。3.カドミウムによりエラ細胞のClチャネルがOpen Lockすることはわかったが、どのチャネルがLockされたかの特定が困難である。可能性のあるチャネルの遺伝子をクローニングし打ち込み実験系を用いるのが現在最も有効であると考えられるが、時間がかかる。電気生理学的手法をメインに分子生物学的手法を取り入れてゆきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前述の通り、パッチクランプにおけるデーター、シーリング率にばらつきがある。メダカからの直接分離細胞、あるいはPrimary Cultureなのである程度のばらつきは仕方ないが、トリプシン、セルソーターによるダメージを軽減する方向で実験を施行している。 遺伝子破壊メダカも使用しているが、ジェノタイピングにコストと時間がかかる。High resolution melting(HRM)を使用したが、偽陽性が多く、最適な条件を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
メダカエラ細胞はばらつきがある。細胞の状態が主な要因であると考えられトリプシン、セルソーターによるダメージを軽減するため、Primary Cultureする方向で実験を施行している。 遺伝子破壊メダカのスクリーニングでHRMを使用しているがPCR条件よりも、サンプルの作製方法、DNA純度、DNA濃度、容量等の要因に左右され偽陽性を生じる。的確に同一のジェノタイピングサンプルを作成することが現在の課題である。 カドミウムでClチャネルがOpen Lockされることが分かったが、どのような機序かを解明するためにメダカ遺伝子のクローニングが必要であり取りかかっている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
メダカ細胞培養を確実に行えるようにし、Primary Cultureにて確実なデーターを得られるようにする。メダカイオンチャネル遺伝子のクローニングをおこない。そのメダカ細胞へのイオンチャネル遺伝子打ち込み系を確立する。細胞培養のための消耗品としてピペット(50,000円)、FBS(1本20,000円×2本)、培地(55,000円)、PCR用消耗品(60,000円)の購入を予定している。 次年度に使用する額は5,330円あるが、上記必要物品を購入するための費用に充てるため繰り越した。
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