2011 Fiscal Year Research-status Report
医療・福祉・健康関連サービスアクセス多様性指標の開発と活用範囲の検討
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23790686
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
木津喜 雅 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80431964)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | アクセス |
Research Abstract |
(1)医療・福祉・健康関連施設GISデータベースの作成:一般飲食店、遊興飲食店、飲食料品小売業、医薬品・化粧品小売業、教育・学習支援業、娯楽業、医療業、保健衛生および社会保険・社会福祉・介護事業について、事業所の数と事業所ごとの従業員数に関するデータを日本の公的統計より収集し、地理情報と連結させた。異なる年次のデータを対応させるため、含まれる内容が等しくなる最小の分類項目について集計した。(2)人口・社会・経済GISデータベースの作成:性別、年齢、世帯構成、婚姻・就業・学歴の状況の各区分について人数を、また地方財政に関する指数を、複数の年次について、集計単位区ごとに日本の公的統計より収集し、地図情報と連結させた。(3)医療・福祉・健康関連施設多様性指数の算出:上記の2つのデータベースを結合し、医療施設、福祉施設、小売業および飲食店について、それぞれの分類項目ごと、さらにそれらをすべて含め、複数の多様性指数を算出した。多様性指数は、理工学・生物分野で代表的な計算方式に基づき、複数作成した。これらの多様性指数は地方財政と正に相関しており、地域の経済活動の指標の一つであると考えられた。(4)人口の社会的多様性指数の算出:性別、年齢、世帯構成、婚姻・就業・学歴の状況について、それぞれの項目ごと、さらにそれらをすべて含め、複数の多様性指数を算出した。(5)医療・福祉・健康関連サービスアクセス多様性指数の算出:医療・福祉・健康関連施設多様性指数と人口の社会的多様性指数より、医療・福祉・健康関連サービスアクセス多様性指数を算出した。指数の値は、地域ごとに異なっており、地域の特性に関する新しい指数の候補と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
医療・福祉・健康関連サービスアクセス多様性指標について、複数の候補の算出を完了した。これらの候補に関する評価作業は、その一部をすでに開始し、新たな知見も得られた。予定期間内に、研究の目的に関して研究成果を明らかにできると判断したため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)医療・福祉・健康関連サービスアクセス多様性指数と年齢階級別死亡率との関係の評価将来の年齢調整死亡率と現在の医療・福祉・健康関連サービスアクセス多様性指数との関連性について回帰分析を行う。分析の単位は市町村とする。また、地域の人口、社会、経済指標について調整を行う。それぞれの死因は、異なる原因と関連していると考えられるため、分析も死因別に行う。(2)生活習慣病リスクに注目したサービスアクセス多様性指数の開発死因別死亡率との関連の機序についてより詳細な検討を行うため、死亡の原因となる生活習慣と医療・福祉・健康関連サービスアクセス多様性指数との関連性についても調査する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後の研究の推進方策について、データ分析と成果の公表に関して、必要な物品費、旅費および人件費・謝金に充てる。当初の研究計画の順番を変え、医療・福祉・健康関連サービスアクセス多様性指数と年齢階級別死亡率との関係についての分析を計画より先行して実施し、生活習慣病リスクに関する調査を後としたため、調査用の研究費を次年度に使用する予定の研究費として残した。明確な研究成果をデータ分析により示せる目途がつき、その結果を調査に反映させることにより、より詳細な検討が実施できると考え、研究方法の順番を変えた。
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