2012 Fiscal Year Research-status Report
医療・福祉・健康関連サービスアクセス多様性指標の開発と活用範囲の検討
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23790686
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
木津喜 雅 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80431964)
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Keywords | サービスの多様性 / 住民特性の多様性 / 慢性疾患 |
Research Abstract |
医療・保健・介護・福祉事業所および医薬品小売店、飲食店、飲食料品小売店、スポーツ施設および公園、スポーツ用品小売店について、日本標準産業分類の小項目ごとの事業所数より、日本全国の市区町村ごとに、シンプソンおよびシャノンの多様性指数を算出した。シンプソンおよびシャノンの多様性指数の間には強い相関(r>0.9)があった。一方、異なる業種の多様性指数間の相関は弱かった。 市区町村ごとに、住民の特性(性別、年齢、婚姻状況、所得、雇用状況、教育歴)別の人口を推定し、シンプソンおよびシャノンの多様性指数を算出した。 多様性指数の地理的分布をGISにより図示した。大都市近郊で多様性指数が高い傾向にあった。また、多様性指数の低い地域の地理的集積が確認された。 60~64歳、65~69歳、70~74歳の男女について、市区町村別の死亡率(虚血性心疾患、悪性新生物、脳血管疾患)と飲食店、飲食料品小売店のシャノン多様性指数との関連性を分析した。シャノン多様性指数が高い地域では、虚血性心疾患死亡率が一貫して低かった。地域の婚姻状況、平均所得、雇用状況、多様性指数の算出に用いた各業種別事業所密度で調整後の回帰係数は以下の通りであった:飲食店について、男性60~64歳-42(p<0.001)、65~69歳-23(p=0.005)、70~74歳-47(p<0.001)、女性60~64歳-48(p<0.001)、65~69歳-40(p<0.001)、70~74歳-23(p=0.001)、飲食料品小売店について、男性60~64歳-29(p=0.008)、65~69歳-34(p=0.014)、70~74歳-56(p=0.004)、女性60~64歳-26(p<0.001)、65~69歳-34(p<0.001)、70~74歳-32(p=0.010)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
医療・福祉・健康関連サービスアクセス多様性指標について、複数の候補の算出を完了し、これらの指標と地域の健康指標との関連について分析を行い、保健医療分野での有用性を評価する基となるデータを得ることができ、研究期間内に、目的とする成果を得られると判断したため。
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Strategy for Future Research Activity |
地域の疾病別死亡率と医療・福祉・健康関連事業所の多様性指数との関連性について、地域住民の特性における多様性もさらに考慮して回帰分析を行い、住民の多様性と事業所の多様性の相互関連性を評価する。さらに、生活習慣と医療・福祉・健康関連サービスアクセス多様性指数との関連性についても調査・分析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後の研究の推進方策について、データ分析と成果の公表に関して、必要な物品費、旅費および人件費・謝金に充てる。当初の研究計画の順番を変え、医療・福祉・健康関連サービスアクセス多様性指数と年齢階級別死亡率との関係についての分析を計画より先行して実施し、生活習慣病リスクに関する調査を後としたため、調査用の研究費を次年度に使用する予定の研究費として残した。
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