2011 Fiscal Year Research-status Report
小児期のサーカディアンリズム・メラトニンと成長や肥満に関する研究
| Project/Area Number |
23790688
|
|---|
| Research Institution | Gifu University |
|---|
Principal Investigator |
和田 恵子 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00532673)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
| Keywords | サーカディアンリズム / メラトニン / 生活習慣 / 小児 / 疫学 |
|---|
| Research Abstract |
平成23年度は、学童を対象とした研究として、小学４年生と小学１年生の約1200名に対して調査を行った。生活リズム、睡眠の質、夜間照明の強さ、食習慣、運動習慣、行動・情緒、出生時状況、生活環境等の情報収集と早朝尿の収集を行った。小学4年生は、同時に健康診断（身体測定、血圧測定、空腹時採血等）が行われていたので、そのデータも入手した。幼児を対象とした研究では、ある幼稚園に通う３～６歳児約300名を対象に調査を行った。学童対象の調査と同様、保護者アンケートと早朝尿の採取を行った。これらの情報について現在データ入力・集計を行っている。幼児の対象では、同幼稚園で過去に生活習慣と内因性・外因性ホルモンやアレルギーに関する研究を行っており、この時得られた尿検体にてメラトニンの代謝物である6-sulfatoxymelatonin値の測定を行った。このデータを解析した結果、内因性メラトニン値と身体特徴、性ホルモンレベル、生活環境要因等との関連を評価した。また、内因性メラトニン値が児の行動特徴に関与する可能性を発見した。小児において、内因性メラトニンに関連する体格や生活環境要因についての研究、内因性メラトニンが児の行動に及ぼす影響を調べた疫学研究は極めて少ないため、本研究から得られた知見の意義はとても高い。これらについて、すでに学会で報告し、現在は英文論文として投稿を行っている。今後、得られたデータでさらに詳細な解析を行い、内因性メラトニンの生体内での役割やメカニズム等を解明していく予定である。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幼児の対象で、サーカディアンリズム（起床・就寝時間、昼寝時間など）と内因性メラトニンとの関連を評価した。睡眠の質、睡眠時の夜間照明の強さとの関連も評価した。内因性メラトニンと生活環境要因との関連も評価した。生活環境要因として、食要因（食行動、FFQや食事記録で評価する食内容）や運動習慣、受動喫煙の有無、出生時要因などを検討した。内因性メラトニンと体格との関連も評価した。内因性メラトニンと精神的因子（行動・情緒）との関連についても評価した。今後は、学童においても同様の解析を行うとともに、サーカディアンリズム・内因性メラトニンと成長ホルモンとの関連、小児肥満・メタボリックシンドロームの関連を評価する予定である。
|
| Strategy for Future Research Activity |
平成24年度も学童・幼児を対象とした調査を昨年度と同様に行う。調査継続によりデータの蓄積することで、さらに詳細な分析が期待できる。生活習慣アンケート、尿中ホルモン測定値、健康診断の結果を分析し、内因性メラトニンと生活環境要因との関連、サーカディアンリズム・メラトニンと成長ホルモン、体格・二次性徴・精神的因子、肥満・メタボリックシンドロームとの関連について検討する。得られた知見をまとめ、学会発表あるいは論文として発表する。今後、学童を対象とした調査では、追跡研究につなげていく予定であり、現在関係機関と連携・調整を行っている。これが可能になれば、生活習慣、メラトニン、健診結果等を縦断的に評価できることから、さらに詳細な分析が可能になるだけでなく、研究自体の質の向上につながる。
|
| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
質問紙調査、採尿検査の実施をするのに、用紙代・印刷費、尿採取用コップ、容器等の購入費用が必要である。また、尿検体を保存するための冷蔵庫内のスペースがなくなってきており、必要となれば、大型冷蔵庫購入の一部資金に充てる。調査の実施に伴い、フィールドでの調査補助員、得られたデータの入力・解析を担う研究補助員の雇用費用が必要である。尿中のメラトニン値等の測定にも費用がかかる。
|
Research Products
(6 results)
