2012 Fiscal Year Annual Research Report
小児期のサーカディアンリズム・メラトニンと成長や肥満に関する研究
Project/Area Number |
23790688
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
和田 恵子 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00532673)
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Keywords | サーカディアンリズム / メラトニン / 生活習慣 / 小児 / 疫学 |
Research Abstract |
平成24年度は、学童を対象とした研究として、小学4年生と小学1年生の約1200名に対して調査を行った。生活リズム、睡眠の質、夜間照明の強さ、食習慣、運動習慣、行動・情緒、出生時状況、生活環境等の情報収集と早朝尿の収集を行った。小学4年生は、同時に健康診断(身体測定、血圧測定、空腹時採血等)が行われていたので、そのデータも入手した。幼児を対象とした研究では、ある幼稚園に通う3~6歳児約300名と昨年度の卒園児約100名を対象に調査を行い、保護者アンケートと早朝尿の採取を行った。これらの情報について現在データ入力・集計を行っている。 幼児の対象では、同幼稚園で過去に生活習慣と内因性・外因性ホルモンやアレルギーに関する研究を行っており、この時得られた尿検体にて測定したメラトニンの代謝物である6-sulfatoxymelatonin値と身体特徴、行動特徴、性ホルモンレベル、生活環境要因等との関連を評価した。その結果、内因性メラトニン値が、児の年齢や体格により左右される一方で、睡眠の質、睡眠時間、就寝時の寝室の明るさ、座位生活時間、受動喫煙との明らかな関連はみられなかった。また、内因性メラトニン値が低い児で、行動的問題(特に多動性)が多くみられた。小児において、内因性メラトニンに関連する体格や生活環境要因についての研究、内因性メラトニンが児の行動に及ぼす影響を調べた疫学研究は極めて少ないため、本研究から得られた知見の意義はとても高い。これらの報告は、一つはすでに英文雑誌に掲載され、もう一つは現在投稿中である。 今後、得られたデータでさらに詳細な解析を行い、内因性メラトニンの生体内での役割やメカニズム等を解明していく予定である。
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[Journal Article] Associations of urinary 6-sulfatoxymelatonin with demographics, body mass, sex steroids, and lifestyle factors in preschool Japanese children2013
Author(s)
Wada K, Nakamura K, Tamai Y, Tsuji M, Masue T, Watanabe K, Ando K, Nagata C
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Journal Title
Ann Epidemiol.
Volume: 23(2)
Pages: 60-65
DOI
Peer Reviewed
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