2012 Fiscal Year Research-status Report
小児におけるうがいと感染症の予防等に関する実証研究
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23790689
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
野田 龍也 浜松医科大学, 医学部, 助教 (70456549)
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Keywords | うがい / 感染症 / 歯科検診 / 学校保健 |
Research Abstract |
本研究を開始するにあたり、静岡県内の某市に協力を仰ぎ、その協力を得ている。 平成24年度の研究対象は当該市の小中学校であり、4つの研究を実施した(一部に昨年度からの継続を含む)。1) 小学校でのうがい状況の実態調査:校内でのうがいの励行状況、うがいに緑茶を使用しているか否かについて、各学校ごとに調査した。その結果、過半数の学校で緑茶によるうがいを行っていることが明らかとなった。2) 小学校ごとの健診結果調査:市内の小学校ごとに、平成25年冬季の欠席データを欠席理由とともに収集した。3) 小学生の歯科検診結果調査:学校健診におけるう歯(永久歯のDMFTおよび未処置者率)についてデータを得た。4) 文献調査:うがいや小児の健康に関する文献を収集した。以上より、平成25年度の研究遂行に係る基礎的な知見を収集することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
うがいと身体的な不調等の関連について、数千人単位の出席状況と歯科検診の結果を取得し、分析の基盤が得られた。 初年度に想定していた2つの研究デザイン(多施設観察研究および多施設介入研究)のうち、多施設介入研究については教育委員会の同意を得ることが難しく、断念した。ただし、同じ市内の学校でも、うがいの実施有無が異なるため、準実験デザインとして多施設観察研究を行うことができ、研究の遂行上大きな支障とはなっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、取得した個票データをもとに、うがいの有無による病欠・う歯の罹患・有病状況の違いを分析する。ただし、就学環境における感染症の罹患については、すべての個人が独立しておらず、集団(クラスター)単位、例えば学級や学校単位での行動の影響が想定される。そのため、分析に当たっては、解析手法としてマルチレベルモデルの利用を検討する。さらに、児童同士の接触等の学級内行動が重要な交絡となっている場合には、各児童の接触の態様や度合について時間地理学的な補充調査を行う必要があると考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究費は、主に調査に係る通信運搬費、データ入力の研究補助や、打ち合わせ・情報収集のための旅費、論文出版料等が想定され、交付申請書の明細と大きく異なるものとはならない予定である。ただし、上記の推進方策にある時間地理学的な交絡について検討する必要があると判断した場合は、調査費として物品費または人件費が必要となることが想定される。
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